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 河川環境調査#01 神流川/八塩地区 (2010年10月9日)

 調査概要と総括

 調査概要
   神流川の中下流域に位置する八塩地区にて調査を行いました。ここは、渓谷様の神流川の姿が見られる最後の地点です。

 ・ 調査日  2010年10月9日
 ・ 天候  少雨
 ・ 気温  15.7℃
 ・ 水温  15.1℃
 ・ 調査方法  群馬県版水環境健全性指標
 ・ 調査人員  ゼミ生11人
 ・ 調査協力  NPO法人神流川
   群馬県衛生環境研究所




 総括

   
 総合平均スコアは3.9(5点満点)となりました。比較的良好な水質と、豊かな自然生態系に恵まれた河川環境といえます。「地域とのつながり」のスコアが相対的に低い結果となりました。川の歴史や文化、水の利用、環境活動の有無など、ゼミ生には数値化して評価しにくい項目が多かったようです。

 調査後にNPO法人神流川の藤田理事長から地域の歴史や文化について話を伺いました。ゼミ生は、神流川の地域資源としての潜在的な魅力を知ることができたようです。このような情報を発信していくことにより、神流川の利用可能性も広がるのではないでしょうか。


 調査の経過

 事前勉強会

 群馬県衛生環境研究所の松本研究員を講師に招き、水環境健全性指標を使った調査方法について勉強しました。

 調査開始

 あいにくの天候でしたが、川面に霧がかかった幻想的な神流川の姿を見ることができました。

 水のきれいさ

 水質パックテストや透視度計などを使い、簡易的な水質検査を行いました。全体的には良好な水質でしたが、COD値が4 mg/Lとやや高く、自然豊かな風景とのギャップに驚きました。その原因を探っていくことが今後の課題です。

 自然なすがた

 全体的には自然なすがたを多く残した河川ですが、部分的には人工の護岸や堰などがありました。

 ゆたかな生物

 小魚、川エビやサワガニなどの甲殻類、シジミ、タニシ、カワニナなどの貝類、ヤゴやゲンゴロウなどの水生昆虫等、様々な生物が観察されました。里地里山を流れる地域河川には、豊かな生態系が構築されていることがわかります。


← コカナダモ(外来種)

豊かな生物多様性に紛れて、外来種であるコカナダモが河床に繁茂していました。里地里山の生態系保全の難しさを示す一例といえます。

 水辺環境

 全体的には心地よい音や薫りを感じることができましたが、所々河床にゴミが沈んでいるところがありました。また、周囲の安全性に関して、大きな危険は見当たらないものの、草が繁茂しているため、レジャー等への利用可能性は制限されると感じました。

 地域とのつながり

 地蔵尊が祀られる様子や、ホタル育成の掲示物を見て、この河川が地域の方々によって守られていることがわかります。ただ、初めてここを訪れたゼミ生には、地域とのつながりの程度を数値化して評価することは難しかったようです。この評価軸の構成は、今後見直していく必要がありそうです。

 事後勉強会

 調査終了後、NPO法人神流川の藤田理事長から地域の歴史や文化についてお話を伺いました。地域の産業形態が変遷する過程で、神流川の様子もずいぶん変わってきているとのことです。ゼミ生にとって、地域社会と河川生態系の関係を考える良い機会になったようです。


 研究成果報告会

 2010年12月10日開催

 今回の河川環境調査の集大成として、研究成果報告会を開催しました。報告会には、調査にご協力いただいたNPO法人神流川および群馬県衛生環境研究所の方々にもご参加いただきました。ゼミ生による報告に続いて、地域河川の持続可能な利用について参加者全員で議論を交わしました。


 初めてのフィールドワークでしたが、NPO法人神流川や群馬県衛生環境研究所の方々のご協力のおかげで、良いスタートが切れました。より良い地域づくりの在り方を提案していけるよう、研究を継続していきます。



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