講義
2019年度担当講義科目
地球環境学 (前期 火曜5時限)
【概要・目的】
私たちの社会経済システムは、地球環境という基盤の上に成り立っている。安定な気候、清浄な大気や水、多様な生態系が維持されることにより、私たちは健康で文化的な生活を営むことができるのである。このような地球の「無償のサービス」を、私たちはこれからも享受し続けることができるだろうか。本講義では、地球システムを中心に、そのアクターとなる大気、海洋、生態系の役割を自然科学の視点から学ぶ。これを踏まえて、産業革命以降の急激な気候変動の仕組みを理解するとともに、持続可能な新しい社会経済システムの実現に向けたロードマップを描くための基礎知識を養うことを目的とする。
【到達目標】
地球システムの視点から、「生きている地球」の意味を自然科学的に理解する。経済活動と地球環境保全の不可分な関係を理解し、持続可能な発展に向けた変革への動機づけを獲得する。
【講義資料】
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地域循環共生論 (後期 火曜5時限)
【概要・目的】
従来の社会経済システムは大量生産、大量消費、大量廃棄型の形態であり、これに起因する環境負荷が自然の再生能力や浄化能力を超えて増大している。持続可能な発展を遂げるためには、環境への負荷をできる限り少なくし、「循環」を基調とする経済社会システムを実現する必要がある。また、私たちの社会は環境制約、資源制約の下に形成されるため、自然生態系との「共生」を常に確保して行かなければならない。本講義では、顕在化する環境問題の実態や原因に関する基本的な事項から、生物多様性の保全や低炭素社会の実現に向けた具体的な政策事例までを幅広く取り扱う。循環と共生の概念を理解し、地域における循環共生型社会の形成に向けた政策プロセスについて、総合的に考える力を養うことを目的とする。
【到達目標】
顕在化する環境制約、資源制約の背景にある20世紀型社会経済システムの実像を捉える。循環共生型社会のひとつの形態である、低炭素社会の実現に向けた政策プロセスを理解する。
【講義資料】
・ 講義資料のダウンロードはこちら (後期火曜5時限)。
環境科学 (前期 金曜1時限)
【概要・目的】
科学技術の進歩により、私たちは便利で快適な暮らしを手に入れた。しかし、それと引き換えに様々な化学物質が環境に放出され、私たちの健康を脅かす「リスク」となっていることもまた事実である。多様化、複雑化する環境問題を解決に導くためには、問題の原因から影響に至るメカニズムを科学的に理解し、リスクの所在を明らかにしつつ、それを低減するための政策立案へと帰結させるスキルが求められる。本講義では、環境リスクの概念とその定量方法を学び、大気環境および水環境の分野における今日の環境保全上の課題を概観する。また、環境中における化学物質の動態を理解するための環境モデルを用いて、環境政策の効果を科学的に予測または検証するツールの仕組みを学ぶ。これにより、企業や行政機関の環境管理部門において活躍できる即戦力を身につけることを目的とする。
【到達目標】
環境リスクの考え方と定量方法を学び、環境保全政策の基本となる「環境基準」の科学的根拠を理解する。大気環境および水環境の分野における今日の環境保全上の課題を知り、これからの環境管理の方策をデザインする力を身につける。
【講義資料】
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環境科学特論(大学院) (前期 火曜6時限 ・ 後期 土曜3,4時限)
【概要・目的】
科学技術の進歩により、私たちは便利で快適な暮らしを手に入れた。しかし、それと引き換えに様々な化学物質が環境に放出され、私たちの健康を脅かす「リスク」となっていることもまた事実である。環境分野の政策主体には、リスクの所在を明らかにするだけでなく、問題の発生から影響に至るメカニズムを科学的に理解し、問題を解決に導くためのプロセスを政策的に組み立てるスキルが求められる。本講義では、大気、水、生態の各系を対象とした我が国のこれまでの環境政策を概観しつつ、法体系の現状およびその科学的背景を理解する。これにより、現在起きている問題を再評価し、解決のための科学的方策を模索することを目的とする。
【到達目標】
マスメディア等で報道される環境問題に対して、科学的に正しい判断および評価を自ら行うことができるような科学情報リテラシーを習得することを目指す。
【講義資料】
・ 講義中に配付する。