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中国の瀋陽における循環型社会の可能性
―日本との比較を通して―

202-215 刘 娜

20世紀の生産活動や人間生活には「大量生産・大量消費・大量廃棄」という生活スタイルの特色があり、環境問題は年々深刻化している。

本論文では、循環型社会に関して、廃棄物を減らすためにはどのような知識が必要とされ、どのような意識改革をする必要があるかを検討し、廃棄物を排出する側、処分する側が廃棄物を減らすために現在行っている状況をふまえ、循環型社会システム構築の可能性を探求する。不法投棄や処理法違反といった問題を避けながら、廃棄物処理をすすめるとともに、排出抑制やリサイクルの実現も必要である。中国で循環型社会システムを取り入れる上での問題点を整理し、中国の瀋陽を事例として、日本と比べてどのようにとらえるべきかを論じる。

中国瀋陽の循環型社会システムを築く一例としてごみ分別をとりあげ、リサイクルをすすめることで排出量を減少させ、循環型社会システムを築くことができるという仮説を提起した。中国におけるゴミ分別の利用について簡単なアンケート調査を実施した。分別を行っていたのは教職員が97.6%、食堂職員が100%、子供の親族が83.6%と高い割合であった。子供についてみると21.1%と低い割合となった。ごみの分別は、子供の時に習慣化する必要があると考えられる。アンケート結果から、成人については中国の都市ごみ分別事情はかなり改善されてきていると判断できる。ただし、農村部は経済的および設備や意識において都市部との格差は大きいので今後、農村部の調査が必要である。

環境問題は一国あるいは局所的な問題にとどまらず、国境を越えた国際的な問題に発展してきており、被害や影響を軽減するには各国間の協力が必要になる。とくに日本は世界において公害防止の先進国であり、中国の公害対策には日本の協力が欠かせない。

中国の瀋陽における循環型社会の可能性について検討したが、まだまだ実現には距離がある。しかし人々自身の行動なしには永遠に実現の可能性はないと考えられる。力と知恵を合わせて一歩一歩努力していきたい。将来、中国の瀋陽市に循環型社会が到来する可能性はあると思われる。



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