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中国のエネルギー消費と大気汚染問題

202-192 王 法

中国は1978年から開放政策を推し進め、経済が急速に成長し、世界中から注目されている。こうした経済発展に伴って、経済活動基盤であるエネルギーの消費も大幅に増加したために、エネルギー問題が重要課題になってきた。中国では、このエネルギー問題と直結する、もう一つの大きな問題である、大気汚染問題も深刻化している。

大気汚染問題に対して、中国では様々な対策が取られているが、問題の解決にはまだほど遠い。今の中国は、豊かになろうという雰囲気が強く、経済の発展が最優先されている。環境問題に対する関心は低く、環境問題に関する研究は不十分である。

本論文では、まず、中国のエネルギー消費の状況を踏まえて、エネルギー利用効率改善の可能性について検討した。そして大気汚染状況を分析し、その形成要因と問題点の解決について考察した。

中国においてエネルギーシステムの効率を向上させるには、天然ガス供給の増加などによって一次エネルギー構造を改善し、石炭の加工転換割合をたかめて電力熱供給を増加させなければならない。最終エネルギー消費中の天然ガス割合の増加などによって最終エネルギー構造を改善する必要がある。さらに、工法や技術の改造を進め、今後の建設プロジェクトの規模と技術装備の水準を適正にすることも必要である。市場経済の規律に即した省エネルギー体系を整備し、エネルギー利用効率の向上によって、直面する市場の障害を取り除き、政府による省エネルギー分野での政策決定とリーダーシップを強化することも必要である。

エネルギー消費と大気汚染対策について検討した結果、排出削減の継続や省エネルギー対策は今後も効果が続くであろうが、その効果の程度は小さくなるであろう。その影響は小さくなると推測された。人口要因も同様に影響は減少していくと考えられる。脱化石燃料とくに脱石炭は、期待されるが、当面実現は難しい。経済発展はエネルギー消費や大気汚染の大きな増加要因となるけれども、経済効率を上昇されることによって排出削減に結びつけることは可能である。



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