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食生活の変化に伴う健康食品への意識

202-099 神代 将史

健康食品の普及は著しく、薬局、スーパーそしてコンビニエンスストアなどで販売され容易に入手できるようになってきた。そのため、栄養不足を予防するために使用されていた健康食品は、現在では、美容効果促進などを目的としても利用されている。

現状では健康被害を引き起こす健康食品が存在しているため、過去の被害事例を調べ、健康食品を利用が容易となった消費者がどのような意識を持っているのか、そして今後の意識の置き方について検証する。

20代と40代の女性を対象とした消費者の健康食品に対する意識調査によると、年代によって志向に差異がある。20代では健康情報に対して、ダイエットなどの美容や栄養の面で比較的高い興味を示している。40代では老化に対する意識が高まり、身体的な健康に対する情報に興味が向くという特徴がある。健康食品の使用頻度は、20代が「必要なときに使用」の割合が高いのに対して、40代では「毎日使用」の割合が高くなっている。健康食品のニーズも使用法も年代によって異なっており、状況に合わせた多様な健康食品が求められている。

健康食品はスーパーやコンビニエンスストアで購入されるが、販売されている健康食品の種類は少ない。消費者は通信販売や、場合によっては個人輸入を利用して、商品を入手する。だが、このように入手された商品によって健康被害を受けることは少なくない。2005年春の中国製ダイエット食品「天々素」による被害が一例である。厚生労働省発表によると、被害者123名(死者1名)という惨事も起きている。通信販売などで商品を入手できるようになり、危険成分が含まれているにも関わらず安易に購入し使用するのは危険である。

消費者は、健康食品の認識を高める必要がある。医薬品と健康食品の境界線はかなり希薄化しているが、健康食品はあくまで補助的食品であり、医薬品のように使用法を誤れば危険な場合もあることを知っておかなければならない。薬ではなく、コンビニなどで容易に購入できるという手軽さ、ダイエットや美容が宣伝文句にもなっている現状を考えると、健康食品に対して、どこまで自己認識を高められるかが問題となる。また、すでに国の方からも危険成分の表示や特定保健用食品などのマーク表示の形式で安全性の基準作りがされ、現段階では不十分ではあるが消費者側に安全な商品を入手し易くなっている。消費者が国や食品業者から提供される情報を利用して、安全性の高い健康食品を有効に使うことが今後期待される。



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