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森林の癒し効果と森林利用活動
―地域貢献・活性化の可能性を探る―

202-043 小川 景

現在、日本の森林率(国土面積に対する森林面積の割合)は約64,0%と諸外国の中でも上位に位置する。これほど森林に恵まれていながら、都市生活者にとってはそのことを実感するのは難しい。だがそもそも古くから人間は森林を身近に感じながら生活を営んできたのであり、現在でも森林が人々に癒しを与えることに変わりはない。本論文では、人々を森林に呼び込み、かつ地域を活性化させるために森林内で行われている様々な試みについて、事例を調べ、ツーリズムや地域活性化について検討した。

本論文では森林浴、エコツーリズム、グリーンツーリズム、ツリークライミングについて、現状とこれからの課題を、地域活性化に貢献できるかの観点から検討した。従来、森林内を歩くことだけが、森林の良さを知るための手段であったが、今後は、本論で示すようにグリーンツーリズムやツリークライミングなどの多様な森林の楽しみ方が拡がる。これらは遊戯的な性質を持ち、どれも森林の良さを実感するの有益である。ただし、まだ発展途上であり、今後の成長が期待される。森林に人が流入するだけでなく、そこで環境意識を高めることが重要である。もし環境意識が行き届かず、森林への環境負荷が高まれば、森林の活性化、また地域活性化の効果は減少する。具体的には環境意識を高める例として、看板やインターネットでの情報提供、また職員が直接指導するのも一つの方法である。ただし、単にデータや事実を提供するだけにとどまらず、それらをうまく組み合わせることによって、公園の価値について利用者がよく理解し、その良さを味わえるようにすることが重要である。

森林に実際に触れる中で環境意識を高めることは、本などで学ぶよりも効果がある。そして、それが結果的に森林の活性化・地域活性化にもつながる。



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