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中国の環境ビジネス市場の展望
- 日本の技術を中国の環境ビジネスに生かす-

201-190 張 小龍

現在、中国の経済成長は急速な勢いで発展している。しかし、経済成長に伴う経済活動の活発化、原材料・エネルギー消費の急速な拡大、資源・エネルギー利用効率の低さ等の指標は、いずれも環境悪化の方法に働いている。今中国は産業公害、都市環境問題が深刻になっている。廃棄物、大気や水質の汚染,生態環境保全などの問題が重要になってきた。このような環境の悪化が環境対策の加速や環境投資の拡大を促し、環境ビジネス市場は15%以上の伸び率で成長している。

1990年代に入り、日本を含め先進国での国内環境問題は基本的に解決され、対策投資も頭打ち、環境ビジネス市場も飽和状態になってきた。日本で蓄積された技術やノウハウ、人材等の経営資源は生かされなくなった。日本企業は中国の環境ビジネス市場に進出し、環境技術やノウハウを中国の環境保護事業で活用できる。

環境ビジネスの市場性について、現地で最も評価されているビジネス分野は、水処理・ゴミ処理設備、消耗品としての薬品類、次は大気汚染防止設備、環境測定・汚染物質測定機器である。しかし、日系企業に対する中国環境ビジネス市場は付加価値が低く、環境規制が緩く日系企業の高い技術力の優位性が発揮できないなどの理由で、中国環境ビジネス市場における日系企業の多くは苦戦している。日系企業は、中国環境市場に合った競争力のあるビジネスモデルの構築に迫られている。

日本企業は対中国環境ビジネス展開に以下のような課題が考えられる。(1) 高コスト体質 (2) 中国市場の「低付加価値問題」 (3) パートナー戦略の問題 (4) 中国市場のリスクマネジメントの問題。対中ビジネスの戦略展開について成功するために三つのポイントを示す (1) 強みを生かせる事業戦略の推進、(2) 現地化推進等の競争戦略の練り直し、(3) トータルソリューションベンダーへの脱皮。



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