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学校における環境教育の現状と今後の課題
‐ 地域のボランティア活動も含めて‐

201-142 藤井 洋平

地球環境問題は世界的に注目されている。地球サミットの開催など解決の動きはある。しかし次世代に向けての解決を期待するには、子どもの頃から徹底した環境教育を実施することが必要である。

現在の日本の学校における環境教育の現状を調べ、環境教育の進んでいるドイツの実情と比較しながら今後の課題について検討する。

2002年6月、広島県の高校3年生を対象に、環境問題に対する意識や行動、地域におけるボランティア活動の実態、学校での環境学習に関するアンケート調査を行った。その結果、環境問題に関心を持っている生徒は63%で、実際に行動に移している生徒は50%であった。しかし、環境問題に関心を持ちながらも行動に移していない生徒が25%いた。環境問題を身近に感じていないという声もあった。またボランティア活動の参加状況は、参加した・していない共に50%であった。

現在施行されている日本の学習指導要領によると、環境教育は一つの教科として設けられておらず、各教科の項目の一部で行うものとして設定されている。2002年から全学年に総合的な学習の時間が設けられ、教師の意思によって授業内容を定めることができるようになった。

ドイツでも環境教育は一つの科目として認められていない。しかしヨーロッパ諸国では、エコ・スクールプロジェクトが進められており、加盟する国の学校はプロジェクトに即したカリキュラムを実施している。このため、国の単位で環境問題に取り組むことになり、より効率的な環境学習が可能となっている。

今後の日本の環境教育には大きな2 つの課題がある。環境教育の内容を画定し教材化することと、教師の環境問題に対する関心を高めて、生徒に教えるという考えから、生徒と共に学ぶという姿勢で環境教育を実施することである。この課題を解決していくことで、日本でも環境教育が推進されるとともに、子どもたちの意識も高めることができ、環境問題は解決の方向に大きく前進することになるだろう。



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