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残留農薬からみる農作物の安全性

200-163 正田 安津子

近年、食における安全性について消費者から疑問視する声が上がっている。

偽表示問題の続出や輸入食品における残留農薬問題によって、以前より、食に対する意識が高まっている。また、マスメディアでは、食に対する危惧や危険性が強く報道されている。

残留農薬に対して感心や危惧は高まるが、はたして、日本国内で生産した農産物の残留状況はどうなっているのであろうか。そこで、日本産の農作物の残留農薬問題に注目し、残留農薬検査の結果を踏まえ、生産者、消費者、行政側立場から、残留農薬問題について検討した。

やはり、消費者は、近年の食に関する問題が表面化する中、残留農薬問題に対しての意識も非常に高く、行政に対して不信感を抱いているということがわかった。しかし、その反面で、テレビの報道にも影響されやすく、残留農薬という言葉に関して過敏になりすぎている面もある。

また、このような消費者の声が上がる前から、生産者は有機農業に価値を見出し、地産地消について意識し始めていたということがわかった。農薬を使うのは生産者であり、生産者はなるべく農薬を使わないで農作物を作りたいと願っており、これは消費者の利益に一致する。

そして、食に関する問題が表面化したことで、行政は残留農薬問題の対応を開始し始めたばかりである。まだ、行政に対しては消費者、生産者も不信感が拭えない。しかし2003年、食品安全委員会が発足したことで、行政、生産者、消費者がお互いの意見を交換する場が増えてきた。

三者間には、以前よりは明らかに透明性のある関係が構築されつつあり、このような機会が増えることは、お互いの信頼性を深めるための第一歩であり、高く評価したい。



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