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環境共生住宅スチールハウス
-その潜在的可能性の追究-

200-115 塚越 将人

住宅市場では、環境対策を取り入れた住宅建設が増加している。太陽光発電システムや屋上緑化技術等の導入は、その端的な例に挙げられるが、訴求力があるにも拘らず、あまりメディアに取り上げられていないものもある。その一つが環境共生住宅スチールハウスである。

スチールハウスは高耐震・耐久性、白蟻対策、環境保護の三面で優れた特性を有しているが、国内新築住宅全体に占めるシェアは僅か1%前後に留まっている。何故この住宅の普及が遅れているのか、原因を検討するのが本研究の目的である。

米国との比較では、スチールハウスの評価に繋がる要素が日本側に不足していた。又、国内ハウスメーカーによる着工展開を調べたところ、過去に同住宅は建築基準法による制限が加えられていた事も明らかになった。

トヨタホームは住宅生産工程におけるエネルギー使用量の推移をネット上で公表し、2005年度末までにCO2総排出量を2001年度比5%減としている。もちろん、データの対象にスチールハウスが該当している事は自明であり、環境管理の確実性は高いと推定される。一方、賃貸住宅としてのスチールハウス戦略を試みた工務店は、「ミラット」とよばれる独自のブランドを確立させた。

スチールハウスの技術的な問題は既に解消されている。あとは建築棟数をどれだけ増やしていけるかが焦点となる。建設会社や工務店、住宅メーカーのなかには目新しい性能をアピールできる新商品としてスチールハウスを導入しようとする動きが活発になっている。スチールハウスが伸びるかどうかの鍵となるのは、施主が何を基準に「良い住宅」と判断するのか、その辺りに手掛りがある。今後、良好な地域の環境づくりのためにスチールハウスの普及を望みたい。



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