T.C.U.E. KAWABE Seminor

ビール会社の環境対策

299-171 森田 収

日本は、1950年代から73年の石油ショックまでの高度成長期と呼ばれる時代に平均9.2パーセントの経済成長を続け、経済大国の礎を築いた。しかし、急速な経済発展は公害問題を招くこととなり、今日、企業の環境対策が重要になってきている。企業によって対策の進行具合は異なるが、ビール業界の対策は進んでいるといわれている。

本論文では、その環境対策を、大手四社で比較し、分析してみた。具体的には、ビールを1kl製造するにあたり、どの程度の排出物が出されているのか、またエネルギーや水をどの程度使用しているのか、そしてビール会社がそのパフォーマンスをより良い数字に変えていくために、どのような対策、設備の導入を図っているのかについてまとめた。

I章では、四大ビール会社の売上高を比較し、そのシェアを認識することで規模の比較をした。その結果、アサヒビール、キリンビールの二社がサントリー、サッポロビールより規模が大きかった。II章では、温室効果ガスの比較として、二酸化炭素の排出量について、III章では、大気汚染物質として、硫黄酸化物、窒素酸化物について、IV章では、用水使用量、V章ではエネルギー使用量について比較した。その結果、1990年時点の数字との比較からサントリーが最も改善されている点が多く、認められた。また、VI章では、業界全体としての容器リサイクルの取り組みを1998年からのリサイクル率の推移についてまとめた。VII章では、100パーセントが達成されている副産物、廃索物の再資源化について、VIII章では環境マネジメントシステムについて検討した。

企業の環境対策の充実には、やはり消費者の関心があるということが最も重要である。そのために我々は一人一人が興味を持ち、責任を負っている市民にならなくてはならない。



Valid HTML 4.01! Valid CSS!
(c) 2004-2006 T.C.U.E. KAWABE Seminar.