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風力発電と中国のエネルギー事情

298-165 崔 哲鋒

地球温暖化問題(気候変動問題)とエネルギーの消費に由来する環境問題を制するためには、化石燃料を中心とするエネルギー消費を削減していくと同時に、二酸化炭素や二酸化硫黄など大気汚染物質をほとんど排出しない再生可能エネルギーヘの転換が不可欠である。近年風力発電の普及が急ピッチで進んでいる。風力発電の爆発的な普及期を迎えた時代背景を考えると、80年代の第1次普及期では、米国・デンマーク両国ともオイルショックを契機に風力発電が開発されており、石油代替エネルギーとしての位置付けであったことが指摘される。しかし、現在の第2次普及期は地球環境問題(気候変動問題)への危機感を背景としており、再生可能エネルギーとしての風力発電への社会的な期待は、第1次普及期に比べて地球規模で高まっているといえよう。これに加えて、普及の決め手となったのは、やはり技術と制度である。特にコスト低減と直結している新技術の開発である。

  1. 風力発電の特徴 環境汚染物質の排出がまったくなく、クリーンな発電システムであること、風という再生可能なエネルギーを利用するため、エネルギー資源がほぼ無尽蔵であることなどがあげられる。しかし、風は常に変化し風向や風速が絶えず変動するため、安定した発電出力が得にくいことや、風のエネルギー密度が小さいことなどが短所である。風力発電に通した風況地での導入、大型風車設置による発電出力の増大、風車の複数設置による発電出力の増大と安定化などで補えば、環境にやさしい発電設備として運用可能ある。
  2. 風車の種類 これまでの風車はさまざまな形を持っていた。オランダ風車、セイルウイング形風車、多翼形風車、パドル形風車、サポニウス形風車、S形風車、ジャイロミル形風車、ダリウス形風車、プロペラ形風車などある。
  3. 風力発電システム風車の構成上の特徴 プロペラ型風車の例をとり、システム構成について説明する。
  4. 中国のエネルギー構成 中国は石炭を主のエネルギー源として来た。経済発展とともに電気の需要も急速に増えて、石炭の供給が追いつかなくなった。また石炭の大量使用は環境を悪化させ新たな問題を生み出す。ここで中国のエネルギー現状を分析し、経済発展と環境を両立できる、エネルギー源を検証してみた。
  5. 中国の風力発電事業 ウルムチ郊外の風力発電事業を取り上げて、中国の風力発電の発展の現状、問題点、国の政策などについて研究した。


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