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地方自治体におけるISO14001認証取得の意義

297-143 松崎 利聖

現在世界において、地球温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨や森林の減少など、地球規模での環境問題はますます深刻化してきている。環境問題は「100の理論よりひとつの実行」と言われているように、私達一人一人ができるところから実行すること。また住民にとって一番身近な存在である自治体職員が、環境マネジメントの率先実行を行い、情報公開することによって、環境問題に対する取り組みへの牽引力になると考える。

近年、環境マネジメントシステムであるISO14001への注目が、急速に高まってきている。現在、約70の地方自治体がISO14001の認証取得をしているが、その中から事例として、日本で1番目に認証取得をした「千葉県印旛郡白井町」と、2番目に認証取得をした「新潟県上越市」を選び、それらの自治体を直接訪問することで、担当職員からの情報提供を得、それぞれの環境マネジメントシステムの概要と取得後の経過、今後の方向性をまとめた。

一体自治体での環境マネジメントシステム審査登録は一体何をもたらしたのか。事例をふまえ、(1)環境マネジメントの姿勢の明確化。(2)組織内の職員の意織改革。(3)住民や事業者の自治体への注目。(4)分権体制に向けた組織体制の整備の明確化。(5)自己決定、自己責任の組織運営の客観視。(6)審査機関による第三者審査や利害関係の信頼性。(7)都道府県のシステムと市町村のシステムの相互補完や事業者に対してシステム支援の必要性の明確化。の点があげられる。

環境マネジメント審査登録はすでに自治体にとって単なる環境配慮のステータスシンボルといった意味ではない。また規格の特性から、組織の固定化を防ぎ、柔軟に課題を解決できる仕組みの構築と維持をもたらすものであるともいえる。以上のことから、地方自治体におけるISO140001の認証取得がもたらす有益性は環境的側面のみならず、行政活動全般において疑いの無いものと言えよう。



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