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ハウスメーカー7社への電話調査による
太陽光発電住宅の現状と展望

297-139 古田 恵美

今後、限りある資源である化石燃料と地球環境保護のために、省エネルギーの推進と小規模・分散型エネルギー技術の開発が重要なエネルギー対策になるであろう。そのなかで、エネルギーの有効利用を図るためには、環境にクリーンな太陽光発電、太陽熱利用システム、マイクロガスタービンや燃料電池の普及が望まれている。

現在、太陽光発電システムを搭載した住宅は約2800(全住宅数の約2.8%)であるが(1999年度調べ)、太陽光発電住宅は国からの補助金政策の拡充、省エネルギー化、地球環境への配慮によって徐々に普及しており、今後もエネルギー・環境問題を背景に緩やかに増加するものと考えられる。太陽光発電住宅の普及の担い手となるハウスメーカーの情報を得ることが非常に重要と考えられるので、戸建住宅用太陽光発電システムと太陽光発電住宅の現状と展望について、ハウスメーカー7社へ電話による調査を実施した。調査した内容は、太陽光発電設備の状況、普及率、ハウスメーカーの取り組み、消費者が購入する際重要視する点、省エネ・環境によいと考えているのか、今後の価格、ベストミックスとされるエネルギーについてである。

調査した結果、太陽光発電住宅は、地球環境・住環境双方でのシナジー効果が期待されること、政府による補助金制度の一層の充実、技術の向上による価格低下が十分期待できること、また何より、消費者の環境に対する意識が高まってきたため、各ハウスメーカーとも太陽光発電に対して熱心に取り組んでいることが分かった。太陽光発電とベストミックスとされるエネルギーについては、現状では電気がランニングコスト、省エネ効果、環境対策、安全面から見て最も適しているとしているが、今後有望視されているものとしては、電力が賄え排熱が利用できる燃料電池や、無尽蔵かつ有害物質を一切排出しない太陽熱利用システムをあげている。

ハウスメーカーの回答から、21世紀はクリーンなエネルギーである太陽光発電とともに燃料電池、太陽熱利用といった新エネルギーの需要が増加すると推察される。



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