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サービス業におけるISO14001取得の問題点
-熊本ワシントンホテルプラザを例に-

297-118 中島 実香

「ISO9000s」や「ISO14000s」は多くの中小企業に取得されている。しかし非製造業、特にサービス業においては取得が進んでいない。環境に直接影響をあたえる製造業に比べ、サービス業などの非製造業は環境負荷が少ないからであろう。しかし、確実にサービス業においても環境対策に取り組んでいる企業も出てきている。

ISO14001には「環境マネジメントシステム」を構築するための要求事項が規定されており、これは企業活動、製品及びサービスの環境負荷の低減といった環境パフォーマンスを改善する仕組みが継続的に実施されるシステムである。ISO14001を取得することの、最大のメリットは、新たなビジネスチャンスを作れることである。ISO14001取得を取引先の条件のひとつとしてあげている企業もあり、また製品を選ぶ条件に環境に配慮していることをあげる環境意識の高い消費者が増えていることもあり、今や取引の重要なパスポートとしての役割がある。

熊本ワシントンホテルプラザ及び全国のワシントンホテルプラザでは、「環境実践ホテル」として環境対策に取り組み、1999年にISO14001取得後も環境保全活動に力を入れている。ワシントンホテルプラザの活動を詳細に検討することで、サービス業界におけるISO14001取得の問題点を明らかにすることができる。熊本ワシントンホテルプラザのケーススタディーにおいて、廃棄物の発生・電力消費・重油の消費・上水の消費・排水による水質汚濁などの環境影響の改善がなされている。また省エネ、省資源として「リン酸型燃料電池」の設置や省エネスイッチの採用などが行われている。しかし客室から使い捨て歯ブラシとカミソリを撤廃することについては、顧客にサービスの低下と捉えられやすく、持参率アップには問題点が多かった。

このようにサービス業界におけるISO14001取得の進展には「顧客の理解を得る」という課題をどのように具体的に解決できるのか今後の重要な問題である。



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