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遺伝子組み換え食品の安全性
~インターネットフォーラムのデータを活用した分析~

297-051 北村 弥生

遺伝子組み換え技術とは、品種改良のため、ある生物から遺伝子を取り出し、改良しようとする他の生物に組み込む技術である。従来の交配による品種改良と異なる点は、人工的に遺伝子を組み換えるため、種の壁を越えて他の生物に遺伝子を導入でき、農作物などの改良の幅を拡大できることだ。

食糧危機が地球規模で深刻な現状になってくると予測される状況のなか、短期間に品種改良と結びつけることができる組み換え作物は、食糧確保、地球温暖化や砂漠化の対応食物として役立つと期待されている。しかし遺伝子組み換えの技術が登場してから、年数が経っておらず、組み換え作物を長期的に摂取した場合の人体への影響はまだ明らかにされていない。滞在的な危険性がある。

NHK衛星第1テレビ「地球法廷」では、「食料の安全性と環境」のテーマで世界の市民が参加するインターネット討論を行った。ホームページには日本語と英語の二ヵ国語が使用されたが、日本人が72%で世界全体の意見が集約されたのではなく、日本人の意見が強く反映されている。調査対象者はサンプリングして選び出したのではなく、遺伝子組み換え食品に興味を持ち、討論に意欲的に参加した人だけの意見に限定されている。この論文では全ての意見をデータとして集計し、分析した。その結果、反対派が50%、中立派が31%、賛成派が19%となった。特に女性は68%が反対しており、賛成をはっきりと示す人はいなかった。この討論に参加した人たちは、積極的に自分の意見を表しているが、結果を見れば、賛成か反対かを表さず、中立派が多かった。全体的にみると半数が反対派であり、遺伝子組み換え食品の導入は慎重に行うべきであるという結果になる。

今現在、遺伝子組み換え食品の安全性は保証されていない。しかし、それがどの程度危険であるのかも分かっていない。遺伝子組み換え食品を食べてもいいと思う人、食べるのには抵抗がある人、それぞれの意見があって当然だと思う。そのためにも、遺伝子組み換え食品であることを表示し、消費者に選択の余地を与え、自分自身の判断に委ねるべきであると考える。



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