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トヨタとの比較によるホンダの環境政策

296-020 伊藤 一寿

日本をリードする自動車メーカーの1つである、本田技研工業株式会社(以下、ホンダ)の環境対策、環境問題への取り組みは、今後の日本の環境保全に大きく影響すると考えられる。ホンダの環境対策の特徴を明確にするとともに、日本最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車との比較も行った。

ホンダの環境対策は、1972年10月に発表した CVCC エンジンがマスキー法の1975年規制値を自動車メーカーの中でいち早くクリアしたことから始まり、現在では、環境エンジンだけではなく、自動車生産工程のゼロエミッション化やリサイクル、物流輸送の共同化など、総合的に行われている。

ホンダとトヨタの環境エンジンを比較したところ、ホンダのエンジンは、有害排気ガスはあまり排出しないが、燃費が悪く、トヨタのエンジンの燃費は良好だが、有害排気ガスが多いことがわかった。環境エンジンとしては、有害排気ガスが少ないだけでなく、燃費が良好なことも必要である。しかし、ガソリンを燃料としている限り、有害排気ガスの排出は免れない。天然ガス自動車や、電気自動車は排気ガスについては問題ないが、実用上のデメリットは大きい。将来的には有害排気ガスがゼロの燃料電池自動車とソーラーカーが有力である。しかし、インフラ整備や、さらなる技術進歩が必要なのはいうまでもない。

従来までの環境問題は、公害問題のように、加害者と被害者が明確であった。しかし、現在直面している問題は、加害者は私達人間であり、被害者は地球である。長期的視野のもと、問題解決に取り組まなければならない。ホンダのみならず、すべての自動車会社が、環境問題対策をテレビやマスコミでアピールしている。それを取捨選択するのは私達であり、私達次第で地球環境も変化していくのである。現状の自動車業界の環境問題対策を明確にすると共に、これからの環境問題対策を模索し、私達も積極的に参加していくことが大切である。



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