卒業生への御言葉エネルギッシュなゼミ生達(卒業論文集 第8号より) 2007年3月

8期生は出身地が北海道、秋田(2)、山形、栃木、群馬(3)、石川、山梨(2)の総勢11名であった。毎年、巡検のコースはこれまでに実施していない場所で、ゼミ生の出身地を選んできた。今回は2名の山梨出身者がおり、車での日帰りも可能なことから甲府市を中心に実施した。当日のコースは高崎から佐久を抜け、野辺山でJR最高地点、清里で清泉寮、山梨に入り昇仙峡に立ち寄るなど当初は観光気分だったが、甲府市内は甲府城を中心に市街地をしっかりと歩き回った。昼食は地元の有名店で夏のほうとうを味わうことができたが、石和温泉のワイナリーでは残念ながらジュースで我慢せざるを得なかった。このように、予備調査からコース設定、資料づくりと皆で話し合いながら進めることができた巡検はとても意味があり、ゼミ活動のアクセントになったように思う。

それが、静岡県浜松市の巡検へと進み、音楽を生かした街づくりの調査・研究へと繋がっていった。浜松の調査ではT社のレンタカー3台で楽器や自動車製造会社を見学に行ったが、大胆にもS自動車の本社前に車を止めて記念写真を撮ったこと、足を伸ばして浜名湖で老舗の鰻重を食べたことなど良い記念になった。もちろん、全国の都市との比較を行い調査報告書を作成してくれたことにも感謝している。

今、8期生の卒業論文のタイトルを眺めている。そこには、公共交通、道づくり、中心市街地活性化、中心市街地再生、積雪対策、地域振興、景観整備、空港の付加価値化、自転車政策、公園がテーマとして取り上げられている。すべてが、都市地域を共通のフィールドに各自がそれぞれ考え、一生懸命に取り組んだ成果である。ゼミ担当者から言わせてもらうと、よくこれだけ多様なテーマを探してまとめてくれたものだと感心する。ゼミでは都市地域を研究対象としてインドア・ワークやフィールド・ワークを通じて、地域や都市の見方やとらえ方を共有するための努力は行うものの、研究テーマの設定は自由である。自由であるが故に、卒論を書くために相当の努力が必要だったと思う。卒論作成中に大概の人は経験したと思うが、何かに一生懸命取り組んでいると、たとえ行き詰まっても説明のしようがない見えざる手が働くのを感じたと思う。この経験・体験こそが大学生活の重要なポイントと言っても過言ではない。卒論を作り上げ、ゼミ活動に参加したことに誇りをもってもらいたい。

このように、個性豊かな8期生とのゼミ活動は楽しかった。高崎巡検の際、雨宿りで入った飲食店で収入印紙の貼られたレシートを渡されたことに驚き、その後の飲み会は必ず飲み放題がセットになるようにした。言い換えれば、ゼミ始まって以来の多人数となった4名の女性陣と7名の男性陣がドリンク・メニューを総なめにするバイタリティとエネルギー溢れるゼミとして私の記憶に残ることだろう。どうかこのエネルギーを絶やさず、社会の荒波に向かっていってほしい。そして、8期生全員がゼミで培った体験・経験を生かし、楽しい人生を送れるよう祈っている。

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