卒業生への御言葉市町村合併とゼミ活動(卒業論文集 第7号より) 2006年3月

7期生のゼミ活動は、基礎的文献の輪読を3年生の4月から始め、静岡県三島巡検へと進んだ。巡検の準備は、コース設定およびレジュメ作成を作り上げる過程が重要であり、インターネットや文献を駆使して良いものができたように思う。巡検当日は天気にも恵まれ、関越・環八・東名を若干の渋滞に巻き込まれながらも、またH君の車の挙動に不安を覚えながらも、3台の車は快調に目的地を目指した。

三島市はG君の出身地であった。巡検のコースは東海道の宿場町の雰囲気に浸り、源頼朝が源氏再興を祈願した古社として知られる三嶋神社、富士の湧き水を利用したまちづくりなどに触れるものであった。昼には東海道を行き交う旅人にも振る舞われたであろう鰻重を食べ、その後、元気にまちを歩き回ることができた。巡検の最後に柿田川公園で清冽な柿田川と、豊富な湧水を目の当たりにすることができたことも良い思い出になった。

こうして7期生は地域を見る目と分析力を養っていった。そして、本格的なゼミ調査として「平成の大合併」に対する住民意識の調査を行うことになった。言うまでもなく、政府は行財政改革の一環として合併特例債等の財政支援を背景に、強力に市町村合併を推し進めた。その波は群馬県内の市町村にも及び、当該自治体の選択が迫られた。当初合併への動きが緩慢であったと思われた県内各市町村も、合併特例債の期限切れが迫る中で合併協議会への参加・不参加の議論が急速に高まったのである。調査はこの時期を逃すと二度とできないものであり、千載一遇のチャンスと皆の気持ちが一致した。目標は、必ず県内69市町村に出かけ、住民に対してヒアリング調査・アンケート調査を行うこと、市町村庁舎の写真を撮ることなどを中心にプランが組み立てられた。

しかし、いざ調査に入るとさまざまな問題が生じた。たとえば3つのパートに分かれて調査したが、必ず現地調査が義務づけられたため、大学から現地に行くまでの往復に相当の時間を費やすことになり、皆のスケジュール調整に苦労したこと、人口の少ない自治体での調査は調査対象者を見つけること自体に困難を伴った。とは言え、この調査は東北・関東・中部の出身者からなる7期生11名にとって、調査中に思いがけずお茶やお菓子をいただくなど人の温かさに触れることができたり、群馬県内をくまなく歩き回ることができたことなど、記憶に残るものとなった。付け加えると、今回の調査は予算がなく、車のガソリン代しか提供できず申し訳ない思いが残る。

以上、本ゼミ7期生は群馬県における平成の市町村合併の現場に立ち会い、調査を通じて学問だけでは得られない社会勉強ができたように思う。この経験をこれからの生活・人生の中で生かしてもらいたいと願っている。これから7期生は社会において多種多様な職場で活躍することになるが、ゼミで培った体験・経験を生かし、自らの個性を育むと同時に、他人との関係を大切にし、楽しい人生が送れるよう祈っている。

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