卒業生への御言葉楽しいゼミ(卒業論文集 第5号より) 2004年3月

5期生とは楽しい時間を共有できたように思う。例年どおり、高崎の市内巡検から始まり、エクスカーションは大間々町・桐生市に出かけた。まとまりの良いゼミは何をやってもうまくいくことが約束されているようだった。例年、エクスカーションのコースは可能な限りゼミ生の出身地の中から選び、地域の見方を共有できるように努めている。そして、巡検のコース設定から予備調査に至るまでをゼミ生に任せている。それは、皆で話し合い、企画遂行の方法を覚えてもらうことを意図している。今回はHさんの出身地であり、皆に紹介したいポイントがしっかりと取り込まれ、桐生名物のうどんも老舗の薄暗い奥座敷で食べることができた。思い出に残るエクスカーションであった。

そして、我ゼミ始まって以来のゼミ旅行が水上温泉で行われた。そこで感心したことは、皆の興味や関心を優先してコース別のレジャーを企画していたことである。臨機応変にゼミ運営を行うことの重要性を教えてもらった気がする。もちろん夜は全員が集合し、楽しい飲み会となった。温泉の露天風呂は身を切るような冬の寒さであったが、アメフトの練習で足をケガしたY君がビニールの袋をかぶせ、浴槽から足を投げ出し、湯がかぶらないように入浴している姿を思い出す。

ゼミ全体の調査も行うことができた。平成14年度に群馬県商工会連合会の事業の一環として、「広域地域活性化調査研究事業」のプロジェクトが実施されることになった。内容は新幹線の安中榛名駅前の開発が、安中市をはじめとする周辺町村にいかなる効果をもたらすかを検討することにあった。そこで、安中榛名駅周辺の地域調査と新幹線の乗降調査を行うことにした。平成15年の2月初旬のまだ寒さの残る日、夜明け前の朝5時過ぎに大学の正門前に集合し、始発から最終までの乗降調査を行った。見ず知らずの人に声をかけ、アンケート調査を行う難しさを感じ取ってもらえたと思うし、最後までやり遂げることの重要性を学んでもらえたと思う。そして、予算もない中で、調査結果を報告書にまとめたいという声があがった時は、ゼミ担当者として大変嬉しかった。

このように、楽しいことばかりが思い出として浮かんでくるゼミであった。ゼミに取り組む姿は皆一生懸命であり、積極的な議論・討論も数多くなされた。当たり前のことかもしれないが、ゼミの発表・報告の予定者が穴をあけることは皆無であった。このように、“あうん”の呼吸を感じ取れるゼミ生とのやり取りは、世代の差をさほど感じることのない心地よさであった(私だけかも知れないが....)。なお、ゼミ長のT君からはゼミ運営に関する数多くのメールが届いたことも付け加えておきたい。これから5期生はそれぞれ、さまざまな道を進むことになるが、ゼミで培った体験・経験を生かし、楽しい人生が送れるよう祈っている。

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