卒業生への御言葉仙台巡検とゼミ活動(卒業論文集 第13号より) 2012年3月

 13期生は北海道、青森、岩手、栃木、群馬(3)、富山、長野、静岡、三重出身の11名であった。ゼミ長が岩手県出身者であり、巡検は東北の仙台に出かけることになった。2011年の1月10日に、日帰り巡検のため高崎から新幹線を利用しての実施となった。地域と食の関係がテーマの一つであったため、昼食の牛タンや笹かまぼこ、和菓子などを堪能することができた。また、徒歩でわずかに積雪している青葉城や仙台市博物館では、歴史を学ぶ機会にも恵まれた。なお、仙台駅近くのAER31階の展望テラスから寒さに震えながら市内を眺め、仙台湾、太平洋を目の当たりにすることもできた。その数カ月後に東日本大震災が起きるとは想像もできず、津波の被害を受けた地域もその視野に入っていたことから後に言葉を失った。震災発生時はゼミ長も故郷に帰りボランティア活動に加わるなど慌ただしかったが、少しずつ日常を取り戻して戻っていった感がある。

 7月に入って、ゼミ調査を行うことができた。その内容は、平成の大合併が一段落ついたため、合併後の住民意識を調べることであった。フィールドは高崎市であり、高崎市及び合併前の6つの旧町村の住民に対して、行政サービス、地名、文化、交通などの変化をアンケートやヒアリングを通じて把握した。高崎市の調査とは言え、旧倉渕村は長野県境に位置しており、全地域に出かけての調査は大変だった。この経験は大学生にとって最も重要なコミュニケーション能力の向上に役立つとは思うものの、対面調査のため心が折れかかったとの声も多々あった。その結果をまとめるために、白馬のセミナーハウスでの合宿を8月末に実施した。その際、アンケート集計をパソコンで行い、グラフを作成しつつ分析していった。

 なお、今回の合宿での思い出は自炊であり、カレー三昧になったことである。夕食用に大量に作ったカレーを翌朝にも、昼はカレーうどんに使用した。カレーの限界効用を超えた感があり、さすがに夜はバーベキューになったが、折からの雨にたたられテント内に充満する煙に閉口した。これらも後から考えれば良い思い出になるだろう。

 その他、8月には新たな取り組みを行うことができた。きっかけは、ゼミの卒業生から渋川市で開催されるハワイアン・フェスティバルの運営補助を依頼されたことであった。ゼミのテーマとは直接関わりがないものの、地域のイベントに携わる機会は得難いものと考えた。これは、4日間開催される大がかりなイベントであり、全国から集まるハワイアン愛好者のパワーを感じることができるものであった。私自身も百聞は一見に如かずを実感できた。ちなみに、アロハシャツに身を包むゼミ生の姿はとても新鮮に見えた。

 このように、13期生はゼミ活動を通じて多くの経験・体験をすることができたように思う。このエネルギーを持ち続け、何かと不安定な世の中で自らの立ち位置を確認しつつ乗り切って欲しいと願っている。

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