12期生は秋田、茨城、群馬(4)、千葉、新潟、富山、静岡(2)、長崎の出身者が集まった。本学の在校生の約7割が群馬県以外の出身者であることからその構成に違和感はなく、3年次の地域調査及びそのプレゼンテーションは色々と勉強になった。そして、千葉県出身者を中心としたプランニングで幕張新都心の巡検が企画された。当日、私は約50数年前に稲毛海岸で潮干狩りをした記憶を辿りつつ、時の流れを見せつけられることになった。巡検コースは千葉マリンスタジアムから歩き始め、幕張メッセ、昼食後に幕張ベイタウンまで足を伸ばした。日本経済の発展と首都の成長が広大な埋め立て地を造成し、近未来的な新都心を生み出したことに改めて目を奪われた。幕張ベイタウンの公園から見る高層建築物群はアメリカやオーストラリアの都市景観を彷彿させるものであった。夕刻には千葉マリンタワーに立ち寄ったところ、タワーの壁面がクリスマスツリーのイルミネーションで飾られ思い出に残るものとなった。ちなみに、首都高の渋滞はトイレに注意しなければならないことをA君から学んだ。
7月には横浜巡検が企画された。この巡検は三期合同の巡検であり、ゼミ始まって以来のJR団体割引の利用、帰途は疲労回復のため湘南新宿ラインのグリーン車を奢ったものとなった。帰りは楽ができると思いつつ、コースには綿密な徒歩巡検が組み込まれており、JRの石川町から山手地区、マリンタワーから中華街、みなとみらい地区まで歩くことになった。当日は関東地方の梅雨明けと重なったことから当然のように汗が吹き出し、マリンタワーの冷房の効いた展望台から離れがたかった。展望台から見える横浜港とランドマークタワーの写真は早速ランドスケープ論の講義で使用することができた。一枚の写真の重みはなかなか理解されないものであるが、努めて撮影に至る背景の説明を加えることにしたいと思う。なお、マリンタワーからは中華街での昼食ということもあり、グループ毎に行動することになった。我が班は横浜開港資料館、赤レンガ倉庫、みなとみらい地区と巡った。横浜駅で皆からシュウマイ弁当をプレゼントされたことは嬉しい思い出となった。研究室での巡検の話し合いでシュウマイ弁当を強調しすぎたことを反省している。
いずれにしても、東京湾岸の京浜から京葉の一帯は、日本の臨海地区の象徴的開発であり、実際に皆で出かける機会を持てたことは、ゼミ巡険の意義の一つとなろう。12期生も本ゼミの柱である“るるぶる(見る・食べる・遊ぶ・調べる)”を満喫してくれたものと思う。
もちろん巡検だけでゼミが成り立っている訳ではない。最終目標となる卒業論文の作成、卒論発表会と苦労しながら皆が成長する姿を垣間見てきた。そして、近年にない厳しい就職環境にさらされた12期生達であったが、何事にも粘り強く一生懸命に取り組めば道は開けると信じて人生を歩んで欲しいと願っている。
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