学生諸君がカッコ悪いわけ

高松 正毅

 

 

 学生諸君はよく大学や授業に対して陰で文句を言う。しかし、大学も教員も別に頭を下げて諸君に来て頂いているわけではないし、授業の履修をお願いした覚えもない。入学するのもしないのも、その授業を履修するのもしないのも、完全に学生諸君の自由裁量である。にもかかわらず、自分で選んでおいて文句を言うとはいったいどういう了見なのか。

言いたいことがあるなら、正々堂々と論理立てて公に主張すべきだ。また提案は建設的なものであるべきだし、改善・改革しようと自ら積極的に努めるべきだ。自分では何一つ行動せずにいて、陰で悪口や文句を言うのは卑劣極まりない行為だ。

 私は授業への遅刻や欠席にやかましい。すると、「休んだり遅れたりしたって、別に構わないじゃないか。」といったことを口にする学生が必ず出る。

物事は一般に初歩的な基礎的段階から高度な応用へと進む。だから、ごくごく基本的で簡単なことができない人間に、難しい応用ができるはずがない、と私は確信している。

「時間を守る。きちんと出席する。(その他、返事をする。挨拶をする。……など)」といったことは、幼稚園児にでもできるごくごく基本的な事である。時間通りに地道に出席することは、学ぶ上での出発点であり、最低限の守るべきラインだ。

その程度のことがまともにできない人間に、学問などできるはずがない。授業を受ける資格はない、と私は考えている。もし諸君がそうは考えないのであれば、それは「見解の相違」としか言いようがない。私の授業は履修しないことだ。

「(半期)5回以上欠席すると単位を出さない」ことは、学部規定第19条「……授業に3分の2以上出席し、……」に基づいて決めたことだ。シラバスにも示してある。

ただしこれは、明確な基準がないと運用が難しいから決めただけのことで、「5回」が適当だ、などと私が考えているわけではない。

一般社会で通用しないことは、大学であっても通用しないのが道理だ。どこの世界に3分の1も欠席して首が飛ばない会社があるというのか。毎日のように遅刻や居眠りを繰り返して、何も言われない会社があるというのか。

「当たり前のことが、ごく普通にできない人間に、何かを言う権利などない。」ということを、深く肝に銘じておいてもらいたい。少なくとも私の授業では。