第三回発表 インテリアの歴史についてA

 

199-265 高橋 計永

 

近代の日本の住宅事情

 

明治時代になると、日本の室内空間が洋風化していきます。

まず最も変化したのは、それまでの日本では食事をする部屋と寝る部屋が同じ部屋であったのが、『食寝分離』という考え方により食事のスペースと就寝スペースを明確に分け、それぞれ独立させたことです。しかしその時の日本の住まいでは、十分な広さがなかったため、食事のためだけのスペースを確保するのはとても難しかったようです。そこで居室とは別にあった台所と食事のための部屋とを兼用し、ダイニングキッチン(DK)という新しい部屋が出来ました。

 

もうひとつ大きな変化があります。それは椅子座の導入です。日本の住まいでは床座が基本であったので床は畳でしたが、洋風の生活スタイルが入ってきたことによって畳の上に絨毯を敷き、椅子やテーブルを置くようになりました。この椅子座のスタイルは第二次世界大戦後にやっと一般家庭に普及し始めました。椅子は当時の日本の人々にも大変便利なものでした。しかし床座のスタイルがそう簡単になくなるものではないので、今も日本では住まいの中で靴を脱ぐ習慣は自然に行われており、床座と椅子座それぞれのメリットを採りいれながら暮らしています。

 

最近のインテリアではただ使いやすく住みやすいだけではなく、健常者、障害者、高齢者の誰もが使いやすく快適に生活できることを目指す『ユニバーサルデザイン』という考え方でデザインされてきています。その中に『バリアフリー』という特に障害者や高齢者のことを考えたものがあります。

その他に環境を考えたインテリアもあります。最近問題になっている『シックハウス症候群』があります。『シックハウス症候群』というのは、建材や接着剤、塗料に含まれる化学物質によって健康に悪影響を及ぼすもので、原因にはホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などがあります。あとは太陽光発電を個々の家々で行ったり、資源のリサイクルや生ゴミ処理機を使って自宅でゴミを処理したりということがあります。

更に自宅を安全に守るために玄関の鍵やガスの元栓、電気の消し忘れなどの管理を自動的に行う『ホームオートメーション』と呼ばれるシステムがあります。最近のセキュリティには網膜や指紋のセンサーで施錠・開錠したり、帰宅前に電話一本でエアコンを入れておいたり、お風呂を沸かしておいたりすることもできるようになります。

 

《参考図書》

・『和・洋の心を生かす住まい』 水沼淑子(彰国社・1990)

・『やさしいインテリア入門』 (株式会社アド・コンサル)

《参考URL》

 http://www.kagufun.com/index.htm (家具をもっと楽しもう〜家具fun〜)