第一回発表 インテリアの歴史について@

 

199-265 高橋 計永

 

 

人類の最初の住処のひとつに洞窟があります。周りを岩盤に囲まれていて、風や雨、寒さ、動物から身を守れる天然のシェルターでした。

しかしそのような石壁は堅く丈夫ですが、室内空間としては冷たく感じられ圧迫感がありました。そこで壁を何か布のようなもので覆い、心地よく感じられるようにしました。

布で覆うことの効果はそれだけではなく、色見のない壁に色彩をもたらし安らぎの空間を造っていきました。それが壁に絵を飾ったりという行為に変化していきました。

 

その後、外国と日本の住宅事情に大きく違いが出てきます。

外国ではレンガや石を積み重ねた住宅になりますが、日本では木造が中心になっていきます。

 

イギリスでは12世紀頃マナハウスと呼ばれる屋敷が登場します。マナハウスとはその土地の領主から荘園の管理を任された騎士とその家族が住んでおり、領主をもてなすため快適に過ごせるような造りになっていました。領主が住んでいた城は外敵からの防御を第一に考えられていたため、住み心地の良いものではありませんでした。しかし世の中が安定してくると領主もマナハウスに住むようになり、そこからカントリーハウスと呼ばれるようになりました。そのカントリーハウスは時代時代で来客をもてなすために様々な変化をして、現代の室内空間の移り変わりは現代の部屋の元となっています。

 

一方日本は平安時代に寝殿造が現れます。寝殿造は寝殿と呼ばれる主屋を中心に東西と北に対屋という建物を配置したものです。寝殿の部屋は間仕切りのない一室からなっています。その空間は家具や調度品を置くことで目的をもった部屋となります。例えば、食事をする、寝る、というような日常的な生活から、花見会などの年中行事、歌会などの公の行事まで様々な目的に使われていたようです。

 

 

《参考図書》

     『住居史』渡辺保忠(日本女子大通信教育部・1987)

     『世界の住まいと暮らし』服部岑生(放送大学教育振興会・1999)

     『図説 日本住宅の歴史』平井聖(学芸出版社・1980)