親子関係
110-196小松瞭太
親と子の絆
親と子の絆はよほどのことがない限り永久的に続くものである。青年期などではしばしば絆にヒビを入れる行動がおこる場合もある。家出などの非行などがあげられる。そのよう行為はすぐに収束し親と子の絆は修復されるとされている。
親と子の固い絆はどのような時期に形成されるのだろうか。親と子の絆の形成に「利己的遺伝子説」がある。しかしこの説は子どもの観点から見た場合不確かなものとされており正しい説ではないとされる。
子供が愛着を形成にするにあたり生後3年間までに愛着の形成がなされる。それ以降はより強い愛着を形成できないとされている。
親と子が絆を強める時期は人生の最初の三年間である。その3年間の間にどれだけ絆を深めるかによって親と子の関係がきまる。また絆を深めることは親子関係だけではなく子供に多くの能力を与える。
親と子の絆の形成は遺伝子的な問題ではなく、最初の3年間の行動によって決まる。
絆が与える能力
上でも述べたが親と子が絆を深めている場合、子には多くの能力が生まれるという結果をエインズワースは報告している。
@ 優れた解決能力
A 優れた交友能力
B 好奇心と快活
これら3つの形成に親子関係が関わっている。親子の絆が深い場合これらの能力を持つ子になるとされている。能力が発生する理由のひとつに子が親を「安全基地」として利用しているためである。未知の環境へ対応するためには何かしらのよりどころを必要とする。そのよりどころとなるものが親である。親と子が深い絆で結ばれている場合、親をよりどころとして様々な世界を探索しようとする。その探索が子供に能力を与える。
そして探索能力を与えるのが親と子の絆である。親と子の関係により子は3つのタイプに分けられる。もっとも一般的なのが「安定愛着」型、次に「不全愛着」型、非常に弱い愛着しか示さない子供と3つのタイプがあげられる。
もっとも一般的な「安定愛着」型の子供が探索能力を有している。
利己的遺伝子説 遺伝子が個体よりも優先する。遺伝子は自己に似た遺伝子を増やすことを目的とし、そのために個体を利用する。
参考文献 M・アーガイル M・ヘンダーソン著 吉森護編訳(1992)『人間関係のルールとスキル』北大路書房