親子関係その2
110-190小松瞭太
愛着の形成
身体的接触、注視、微笑そのほかの刺激によって愛着の形成がなされる。確かな愛着の形成は子供を活発にする。乳児期における最初の愛着対象となるのが母親である。また母親のみならず、自分の身の回りの世話をする人に対しても愛着が芽生える場合がある。
父親に対する愛着形成は母親と同じくらいの時期に発生するが母親に対する愛着よりも低いとされる。両親に対する愛着がある場合と片方のみの愛着の場合、前者のほうがより効果を与える。
子供の模倣
子供は同姓の親をあるひとつの指針として模倣している。これが性的同一視、良心、達成への努力の主要な源とされる。ほとんどの子供は同姓の親を模倣するが、母親が強い場合、男の子も女の子も自分の母を模倣する傾向にある。また父親なしで育った男の子は攻撃性が低く、男らしさが低いデータが出ている。
兄弟がいる場合、兄と弟とでは異なる人物を模倣する場合がある。この分割的同一視は兄弟の競争を回避させている可能性がある。
子供と両親の関係
母親と父親は別々の役割を担っている。父親は男の子に対してより男らしい行動の促進を行う役割をもっている。父親がいない場合の男の子は父親がいる男の子よりも男らしさがないとされている。
道徳性と自己統制の発達には母親のほうが子供たちに大きな影響を与えている。
父親の与える影響
@ 男らしさ女らしさ
A 学業成績
B 集団との付き合い
母親の与える影響
@ 道徳性と自己統制
A 大人の役割モデルの提供
母親と父親が子供に与える影響は異なっており、両親ともに健在の場合これらの影響が子供に与えられる。また父親がいる子供といない場合の子供とでは仲間集団との付き合い方に違いがある。父親がいる子供は自信を持ち積極的に集団と交流し、上手く付き合うことができる。しかし父親がいない子は自分に自信を持つことができず上手く仲間集団と付き合うことができない。片方の両親しかいなくとも深い愛情を注いでいる場合は上記のようなことはないとされている。
参考文献M・アーガイル M・ヘンダーソン著 吉森護編訳(1992)『人間関係のルールとスキル』北大路書房