マレーシアの有力企業 エアアジア
110-065 浦上竜太郎
1 歴史
エアアジア自体は、初期にはマレーシア政府系重工業会社DRB-ハイコム傘下の企業であったが、最終的には業績が悪化し、経営破たんに陥ってしまった。その後、飛行機2機分の約4000万リンギットという多額の負債を抱えつつも、ワーナーミュージックのアジア地域役員だったトニーフェルナンデスがチューンエア(TuneAir Sdn Bhd)を設立し、2001年12月2日に1リンギット(約30円)でエアアジアを購入している。
2 経営体制
「今、誰もが大空へ」がエアアジアのキャッチフレーズとなっている。
エアアジアは他社の航空会社が当然のように備えているサービス(例えば、機内食や荷物預けサービスなど)を限界まで有料化し、地上サービスを限界まで減らし、その分安くすることを心掛けている。
それに乗じて、空港ではLCCターミナルを作り、従来よりも遥かにショップや設備の数を減らし、空港使用料を減らすことで経費を削減し、多くの顧客を招いている。
また、乗客にはあまり見えない点だが、コスト削減の為に最も力を入れている点として、機種選択の方針がある。使用航空機種をグループ全体で統一すること(今では、二種類に抑えられている。)により、部品を含めたメンテナンス費用を出来るだけ抑えるようにしている。また、それにより乗務員の訓練にも時間をかけないようにしている。さらに、同じ種類の備品を多く注文することにより、購入総額を下げることに努めている。
同様のサービスとして、エアアジア系列のチューンホテルズという会社がある。ここでは、エアアジア同様に他社では普通のサービス(タオルやインターネットやエアコンなど)を有料で提供し、極限まで値段を下げている。1また、「5つ星のクラスの寝心地を1つ星クラスの価格で提供する」というモットーであり、寝心地は良い模様である。
マレーシアでは、日本と異なり、丁寧な挨拶などの接客サービスはそれほど重要視されていない。その事もエアアジアの成長の要因の一つだったともいえる。例えば、日本でエアアジアが最初に設立されていた場合、サービス重視な日本人には受け入れられなかっただろうと自分は思う。その場合は、結局、今のように成長は出来なかったと思う。
3 エアアジアのデータ
ハブ空港 クアラルンプール国際空港(LCCターミナル)
就航地 73都市
代表者 トニーフェルナンデス
本拠地 マレーシア・クアラルンプール
4 エアアジア・ジャパン設立へ
2012年夏に全日本空輸とエアアジアの合弁会社であるエアアジア・ジャパンが就航開始する。それに対し、エアアジア・ジャパンは5円チケットの販売キャンペーンを行った。(一方で、ジェットスタージャパン2はチケットの1円販売キャンペーンを行っている。)また、それに乗じて、旅行会社Expedia Japanが札幌・福岡・沖縄の三ツ星から四つ星のホテルを5円で販売するキャンペーンを行った。
1 ジョホールバルのチューンホテルに何もセットをつけずに滞在すると、約1500円で滞在可能である。
2 ジェットスター・ジャパンの設立時において、社長の鈴木氏は「大手エアラインより4〜5割安くする。ほかのLCCとも値段では負けない自信がある」と述べている。
参考 日本人のためのよくわかる格安航空会社エアアジアのお話
http://airasia.blog76.fc2.com/blog-category-1.html
Tune hotels
エアアジア
http://www.airasia.com/jp/ja/home.page
週刊ダイヤモンド 食事を有料化するだけで1万円安くなる LCC 驚異のビジネスモデル
http://diamond.jp/articles/-/15235