グローバル社会における格差問題 11/15
110-065 浦上竜太郎
・グローバル化の格差
例えば、中国では、上海や香港などの都市圏にお金が集中し、田舎にはお金が入らなくなっている。これらのようにグローバル社会では、当然のように格差が生まれる。
・先進国に発生する、雇用格差
新興国の人材が先進国の人材の席を奪う、構造的な自然失業率となる。これらは、製造業を中心に新興国との競争が起こっている業種に多い。
このように先進国と新興国の賃金格差が縮まっていくことを大収斂(だいしゅうれん)と呼び、また、これは世界中の賃金がほぼ同じになるまで続くと言われている。また、世界では年収3000ドル以下と言われている底辺層が現在は40億人もいる。
・ジニ係数から見る格差
日本の2012年度のジニ係数は0.336であり、調査対象となった45か国の中で中心になっている。上位は、中国、フィリピン、マカオ、シンガポール、アメリカなどが入っている。なお、中国に関しては0.61と断トツのトップであり、毎年、100万人の大学生が就職出来ていない模様である。
ここで、日本の格差が上記のような国よりも進んでいないのは、企業のグローバル化が遅れているからだと言われている。(この点は、逆グローバル化のメリットとも言える。)
しかしながら、若者を中心に契約社員の比率が高まることなど、つまり、非正規雇用が進むこと、また、製造業の工場を中心とした産業の空洞化やサービス業における人材の置き換え(例えば、中国人にコンビニのレジを行わせるなど)が進むことを考慮すると、安心していられる現状ではないかもしれない。
また、ジニ係数の高い国では、比較的、犯罪率が高い傾向にあると言われているため、決してジニ係数が上がることやグローバル化が進むことを楽観的にとらえてはいけない。
既に、大学を卒業しても一年に約7万人が非正規雇用や無職になっており、また、それによる格差の広がりも起こりつつあることを忘れてはいけない。
参考:JBpress グローバル化でなぜ格差は拡大するのか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/28663
今春の大卒、非正規雇用が3万9000人・ニート3万人