これからのアジア経営戦略その8            11/08

                           110-065 浦上竜太郎

・製造業の国際競争力

 

製造業の国際競争力とは、為替変動、産業政策、外資政策、企業家精神、新たなビジネスモデルの発見など、様々な要因が複雑に絡む中で変化するものである。その競争力の源泉としては、企業を取り巻く予想できない環境変化へのスピーディで柔軟かつしたたかな対応力があてはまることとなる。

 

・現在のアジア市場について

 

現在、日本企業がアジア市場で負けているのは技術力や製造力ではなく、消費者が実際に商品を買う店頭という現場から発する売るための力の弱さがあてはまっている。

ここでの、「売りづくり」とは、消費者のいる市場をメーカーが自ら見て、聞いて、感じて、

考えてみた現場発の泥臭い力となっている。

 

他国に比べ、資金、人材などが十分に備わった今日、逆に技術力やモノづくりの力などという一人よがりの強みを前面に出したマーケティングが重視されがちになっている。

同時に、中国や韓国の企業が、かつて日本企業が持っていた泥臭いマーケットイン型の売りづくりの力の復活、つまり、現場での力を手に入れてしまった場合、最大の脅威になると考えられる。それに対抗するためには、モノづくり至上主義からの脱却と現場からの売り尽くし重視こそ重要になってくる。

 

・家電商品を例に見る

わかりきっていることではあるが、例えば、パナソニックのエアコン(Xシリーズ)を例にとると以下のようになる。

・そもそも無駄な能力をつけすぎている→スマートフォンで電源を入れる意味が無い→それで高いエアコンになるのならば、安く、かつ、消費電力が低いエアコンを買うことになる。このように、現在の日本企業では現場からの売り方を忘れ、技術力主義に陥っていることが一目で理解ができてしまう。

 

 

 

参考:『激動するアジア経営戦略』 安積敏政著 2009年初版 日刊工業新聞