中東 その1 GCC            

                           110-065 浦上竜太郎 

1 GCC創立

 GCCとは、湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council : GCC)を示しており、1981年にバーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の六か国により設立された。本部はサウジアラビアの首都リヤド市に置かれている。主な設立趣旨としては、加盟国間の経済、金融、貿易、通関、観光、立法、行政における共通規制の確立、鉱工業、農業、水利、畜産資源の科学技術的進歩、科学研究センターの設立、ジョイントベンチャーの設立に加え、民間部門の協力推進や人的交流の強化推進などがある。また、20095月、GCCは統一中央銀行の土台となる通過評定議会をリヤド市に設置することを決定した。もちろん、それ以前に、GCCにおける共通通貨の導入も考えていたが、2006年にオマーン、2009年にUAEがその計画からの離脱を表明している。それゆえ、残った四か国で200912月に合意された。

 

2 日本との関係、中東の説明

 日本の企業においては、製造業例えば、中東における国内需要を狙う化学プラントの業種を中心に進出を進めている。また、日本政府においては以下にあげるようなGCCの重要性や特徴性を注目し、2006年からGCC諸国全体との間でFTA(自由貿易協定)の交渉を開始することを決意した。

重要性としては、GCC諸国からの原油輸入額(2005年度当時)が日本の原油輸入額全体の75%以上であることと、日本にとってGCC全体が世界第4位に相当する貿易取引国だということがある。次に、GCCの注目すべき特徴性を持つ機能としては、強いハブ機能を持つ都市があることがまず挙げられる。UAE、ドバイの国営航空会社であるエミレーツ航空(全大陸100都市以上の就航地を持つ)を中心に、中東、南アジア、EU、ロシア、東アジアなどのハブ機能も高く評価され、それ以外における、観光や貿易や湾岸機能としての強さも同時に高く評価されている。(UAEの機能としては、東南アジアにおける、シンガポール、チャンギ空港と同様の役割を持っていると考えられる。カジノも同様にある模様)以上のことにより、日本はFTAの交渉を進めているが、現在においてもなお交渉段階にあるもようである。(しかし、現在、GCC諸国の一つであるバーレーンが日本との交渉を前向きに考えてもいる)

 

 

ロイター  湾岸4カ国が通貨統合で合意、ペッグ制についてはあらゆる選択肢残す

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-12960720091216

日本経済新聞 バーレーン、日本とのFTA交渉前向き

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1305N_T10C12A4FF1000/