南アジア、組織、貿易と投資 その1 1/15
110-065 浦上竜太郎
・南アジア地域協力連合(SAARC)-南アジアの生活水準と福祉向上の目的の為設立
加盟国:インド、パキスタン、バングラディシュ、ネパール、アフガニスタン、ブータン、スリランカ、モルディブの8か国(日本はオブザーバー国としての参加が許可されている。)
この中の人口では、インド、パキスタン、バングラディシュをあわせると約15億人となる。また、全体のGDPはインドが75%を占めている。しかしながら、一人あたりのGDPで1000ドルを超す国としては以下のとおりである。インドが約1600ドル、パキスタンが約1300ドル、ブータンが約2300ドル、スリランカが約2900ドル、モルディブが約6000ドル(参考:日本は約46900ドル)となっている。また、インドではなく、ブータンがトップとなっている理由としては、ブータンは、ヒマラヤなどの自然の力による水力発電エネルギーで儲けているからである。
・ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアティブ(BIMSTEC)-経済連携を目的にタイが提唱(※ベンガル湾とはインドやミャンマーやタイに囲まれた湾岸のことを指す)
加盟国:バングラディシュ、インド、ミャンマー、スリランカ、タイ、ブータン、ネパールの7か国(BIMSTは、後に入ったブータン、ネパールを除くそれぞれの国の名前から。また、ECはEconomic Cooperationから。)
BIMSTECの特徴としては、加盟国ごとに担当部門が決まっている。分野としては、貿易、投資、観光、貧困撲滅、テロ対策、人材、輸送インフラ、エネルギー協力があるが、例えば、SAARCの分野で述べたように、エネルギーで特化しているブータンがエネルギー分野を担当おり、また、貿易面で強みを持つインドが貿易分野を担当している。これらのBIMSTECの国に共通する点としては、農業が主体であり、豊富な人口と労働力を上手く利用している。外交という面では、「南下政策」を取っている中国に対抗する役割もある。
南アジアに対する貿易、ならびに、投資
・貿易-資源をインドに輸出し、インドで制作し、他国に輸出
まず、南アジア自由貿易圏(SAFTA)の点から、南アジアの貿易を考える。例えば、ブータンでは、シリコンや電力や銅など、いわゆる資源を輸出し、インドからは産業用機械や輸送機器などを輸出して貰っている。このように、インドを中心とし、周りの国とは補充関係になっている。
・投資-南アジア最大国、インドの事例から。意外な投資国たち
2008年度のインドへの投資国上位ランキングを見ると、モーリシャス、シンガポール、米国、キプロス、オランダである。投資国1位のモーリシャスは、インドとの間に租税条約を締結しており、モーリシャスにある企業が税の恩恵を受けられるため、欧米を中心とした世界中の企業がモーリシャス経由でインドに迂回投資している。シンガポールとも、同様に、投資自由化措置の条約(包括的経済協力協定)が結ばれており、それにより投件数は高い(金融や不動産投資が主なもの)。
参考:
IMF World Economic Outlook Databases 2012
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2012/02/weodata/index.aspx
『激動するアジア経営戦略』 2009年初版 安積敏正著