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◆モチベーションを高める2
トップダウンの一方的な命令統制では自主性が発揮されず、人はやる気を損ねることになる。
戦後より、生活状況・生活水準の上昇にともなって働くことの意味が金銭よりも仕事のなかに自分を生かしてみたいという欲求に変わってきた。
人間が本当の力を発揮するのは、餌で釣ったり、鞭で脅したりするからではない。
日本の経済発展は勤労者を飢えと失業の恐怖から解放した。また、現状として高齢化がますます進み、若年労働者は減少してくる。
「3K[i]」職場は敬遠され、快適で給料が良く労働時間が短いところで自己実現の欲求(A.H.Maslowの欲求の5段階説)、
つまり、自分の能力を発揮できる仕事をしたいという風潮になってきているとされる。
これらのことから、生産性向上のための動機づけとしてもはやシンプルに「報酬で釣る」時代ではないと言える。
マクレガーの「X理論・Y理論」
X理論:人間は本来怠惰であり、働かせるためには時にはアメを、時にはムチを使って監督することが必要(性悪説に基づいている)
Y理論:本来人間は働くことに生きがいを感じ、この意欲をかき立てられないのは自分の欲求がみたされないため(性善説に基づいている)
現代はY理論を持って部下に接しなければならない。多くの従業員は責任を持って業務を任されることを望んでおり、
自分で立てた目標には骨身を惜しまず努力する。
したがってアメとムチによる統制的なやり方のX理論ではなく、Y理論に基づいて部下に仕事を与え、指導・育成していくことが必要とされる。
参考文献
実践経営研究会『マンパワー・安全7つ道具』日刊工業新聞社 1994年