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◆ストレスへの対処
イルネス・サイクル ストレスへの対処に失敗したことによって無力体験が生じ、この体験をきっかけとしてストレスの慢性化、機能的障害、器質的障害が生じる。
無力体験 いくら努力しても結果が出ず、無力感を感じること
ウェルネス・サイクル ストレスへの対処に成功したことをきっかけとして人間的な成長が果たされ、生活の質の向上へとつながる。
これら2つのサイクルを決定づけている2つの条件 (参考図より)
@ 行動特性が自己依存的かつ自己実現的であるか否か
A 豊かな社会的サポートを受けるネットワークを持っているか否か
ストレスが人の心身に影響を及ぼすか否かは、人がストレスをどう認識しそれにどう対処するかによって決まる部分があると言え、言いかえればストレスを増幅してしまうような行動パターンもあれば、ストレスをきっかけとして人間としての成長を果たすことのできるパターンもあるということ。
◆ストレスに関連してしまう行動パターン
(1) タイプA行動 (Friedman & Rosenman 1974)
まるで何かに駆り立てられているいかのような行動パターン。
背後にある心理的構え
1) 高い業績をあげることへの動機づけ
2) 時間に追われている感覚
3) 厳しく外部から要求されている感じ
4) 短気
5) 差し迫った危険を防ぐためにデザインされた脅迫的行動パターン
6) 強い競争心
7) 敵意、攻撃性
タイプAの人は、タイプB(何事にも差し迫った感覚を持たず、仕事の時にも特に興奮することがない)の人と比較して血中のコレステロールや中性脂肪が多く、冠状動脈系疾患(狭心症、急性心筋梗塞など)の出現率が7倍も高くなる。
また、人口1,000人あたりの冠状動脈系疾患の発病率において、タイプAはタイプBに比べおよそ2倍であること、タイプA行動と自律神経の変調の間にも強い関連のあることが見出されている(Henry & Stephens 1977)
参考文献
南隆男/浦光博/角山剛/武田圭太『組織・職務と人間行動 効率と人間尊重との調和』
株式会社 ぎょうせい1995年