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◆創造性を生かす仕組み
人材の創造性を育てるためには業務にそった創造性の発揮の場を設ける必要があり、またその前提として、やれば正当に評価される評価システムを伴わなければならない。
評価システムについて検討するべきポイントは、@透明性のある評価とするために自己評価をさせたり、面接を導入したりすることで横並び評価から努力に報いる評価を目指すこと。
Aグループ内での順位づけをおこなう相対評価ではなく、それぞれに求められるレベルに対してその発揮度を考課する絶対評価を採用すること。
これは順位付けを行う場合大多数の者が常によい評価がとれない結果となり、いくらがんばっても・・・というあきらめがでてくるのを防ぐためである。
B結果しか考課されない評価システムでは危険を避け安全にという真理が社員に定着する可能性が高く、得に創造性を活用する仕事ではリスクが高くなる。
マイナス要素に対して減点していく評価ではなく、プロセスや取り組み姿勢など本人がどう変わったかに対しプラスで評価する結果至上主義から「本人の変化度重視主義」をとること。
創造性発揮の機会の創造も必要となる。まず、@仕事の裁量度拡大として、創造性を発揮できる場がないマニュアルや作業標準にそってこなすだけど仕事だけではなく、
権限や役割を部下に委譲し、考えながら仕事をさせる機会を与えること。
Aひらめきで気付いたことも、会社の承認を得たあとで、とルールに固執し過ぎると良い・ユニークな発想の数は目減りする。
業務に支障のない範囲内で「まず試してみる」ことができる状況が望ましい。サントリーの「やってみなはれ」風土がこのモデルのひとつとして上げられる。
Bそして企画や発案者に仕事の責任を与えるだけではなく、任せたらその業務やプロジェクトに必要なヒト、モノ、カネの資源、アドバイスを適切に与えることが必要となる。
参考文献
実践経営研究会編『マンパワー・安全7つ道具』日刊工業新聞社 1994年
サントリーhttp://www.suntory.co.jp/company/research/history/frontier.html
「やってみなはれ精神」 現状に甘んじることなく、異分野・新しいことへの挑戦を続ける。「結果を怖れてやらないこと」を悪とし、「なさざること」を罪と問う社風