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◆人的資源管理の基礎としての人間モデル
企業は働く個々人がどのような欲求をもっているかをも念頭に置いたうえで人的資源管理活動にあたる必要がある。
人間モデル 人間がどういう欲求をもち、組織においてどのように行動する存在であるかといったような、人間の本質や属性に関して企業が有している基本前提
経済人モデル 人はカネを求めるものだという前提を置くモデル
社会人モデル 帰属する組織での仲間意識や連帯感を求めるものだとするモデル
自己実現モデル 自分自身の中に潜む自己実現の欲求に根差し、仕事においても
自己実現を求めるものだとするモデル
◆経済人モデル
経営学の成立した20世紀初頭、最初に登場した人間モデルであり、人間が組織で働く理由を働くことの対価としての賃金を求めているという点にもとめたもの
ここでの「経済」とは金銭(カネ)のこと
経営学の成立前、19世紀のアメリカでは産業革命後の鉄鋼生産の増大に伴って企業規模が巨大化しており、市場では大規模企業間の競争が激化し、製造工程でのコストダウンや作業能率の向上が課題となっていた。こうした時代背景のもとアメリカのエンジニアであったテイラー(Taylor. F. W.)は鉄鋼企業において作業能率をいかに向上させるかを考えようとし、科学的管理法(Scientific
Management)が成立することになった。
テイラーは「経営学の祖」と呼ばれ、20世紀初頭のテイラーの登場により経営学は成立したといわれている。