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◆非正規社員の基幹化
業務量の変化に対して柔軟な人員整理や人件費の抑制を理由に非正社員の雇用が活発に進められてきた。このように前従業員に占める非正社員の数や割合が増えることを
量的基幹化という。
非正社員が判断業務や管理・指導業務に携わるようになり、仕事が高度化する現象を
質的基幹化という。
Ex)商品の陳列や補充などの簡単な作業に加え、発注や返品処理、部下の監督や教育などの難易度の高い業務を行う
質的基幹化が進んだ背景
非正社員の中に優秀な人材が出てきて、彼らの高い能力をいかに発揮させ会社の戦力とするかが重要な経営課題になってきたことが挙げられる。
当初はパート社員が多い小売業において、非正社員を質的に基幹化することが始められたが近年では製造業の生産ラインや金融業の窓口における業務など、業種を問わず広く実施されるようになっている。
◆課題
こうした非正社員の基幹化における量から質への変化は「正社員は基幹業務、非正社員は補助業務」といったこれまでの役割分担を曖昧にした。
非正社員が従事する仕事の難易度は上がったものの処遇の仕組みが改善されず、給与水準は正社員に比べて低いままであること