固定相場制3 2011/12/16
108-085大野 瑛介
はじめに
先回の発表では、ドルペッグ制のデメリットについて述べ、その中で、為替介入によって固定相場制を維持する場合、アメリカ国債の多くを他国が保有すると述べた。今回は、それに関する実例として、中国とアメリカの例を取り上げる。
国債の保有量
アメリカ国債は中国が約1兆1300億ドル、日本が約9700億ドル保有している。これは保有量第三位のイギリスが約4100億ドルであることを考えると異常なまでに多いといえる。
ただし、中国の国債の保有量は、ここ一年横ばいで推移しているのに対し、日本は漸増している。
中国にとってのデメリット
アメリカにとっては、中国に国債を売り払われるリスクを負っているが、中国にとってもデメリットが大きい。
第一に、市場原理により、ドル安人民元高が進んでいるため、アメリカ国債が元本割れ(債券や投資信託などの価格が、投資金額を下回ること)を起すリスクがある。
第二に、為替介入をやめようにも、介入をやめれば結局はドル安人民元高が加速することは確実である。輸出で利益を得ている中国は損をする。
結局は、固定相場制を維持し続けるのは問題の先送りにつながってしまう。
参考資料
http://www.treasury.gov/resource-center/data-chart-center/tic/Documents/mfh.txt(閲覧日2011/12/16)
http://www.777money.com/yougo_kolumn/new_yougo/dol_peg2.htm(閲覧日2011/12/16)