メキシコ危機 2011/09/19
はじめに
アジア通貨危機を語るに当たり、1994年に起こったメキシコ危機が重要な位置を占める。よって、今回はラテンアメリカで起こった危機の背景を述べるとともに、アジア危機の関連について述べる。
メキシコ危機
メキシコはアメリカと密接な関係を持っており、故にIMFの進める経済政策を忠実に実行してきた。特に資本自由化に関して熱心に実行してきた国の一つである。
資本自由化により、アメリカに隣接するメキシコには多くの米系金融機関が流入しており、大量に投資していた。その為、短期債務への依存度が高く、国際収支は不安定であった。
1994年3月には、メキシコの資本流入が減少していたことや、政治・社会面の不安も加わりペソ切り下げ圧力が高まった。当局は同年12月に15%程度の切り下げを実行したが、市場では不十分と判断された。その為、アメリカ金利上昇により、投資家が短期国債を大量に売却したため、為替が大幅に下落した。
これは最初の資本収支危機であり、アジア通貨危機の先駆けとなった。
参考文献
『IMF(国際通貨基金)使命と誤算』太田英明(2008)中公新書