新興市場経済3 2011/07/15
EMEの通貨制度は、1999年時点で。過半が固定通貨制度及びそれに近い管理体制を採っており、管理フロート制採用国に関しても、固定通貨制度の破たんにより、新たな通貨制度の模索段階としての導入であった。しかし、その後は多くの国で管理フロート制への移行が進み、また、金融政策として、インフレーション・トレーディング(IT)を導入する国が急増した。
ITとは、中央銀行が目標とする物価水準を決め、それに向けて段階的にインフレを進行させていく金融政策である、それに向けて段階的にインフレを進行させていく金融政策である。
ITには、中央銀行の独自性が必要であり、金融通貨政策が政治的事情によってゆがめられがちな開発途上国で導入される意義は大きい、また、これまでのところITを採用した国でそれを放棄した事例はなく、開発途上国において、新たな金融政策レジームとして定着するかもしれない。
今回および先回までの研究で、EMEの持つ脆弱性に関する根拠は一概には言えないことが分かった。また、EMEは多様であるから、IMFがEMEに対して普遍的に有効なプログラムを組めるかは疑問が残ると感じた。
参考文献
『岐路に立つIMF』国宗浩三(2009) アジア経済研究所