通貨危機前の経済比較 108-085 大野 瑛介
2010/09/07
1. はじめに
今までの研究では各国ごとにアジア通貨危機への対応を調べ上げてきた。そこから、各国がどのように問題に対処してきたかをおおまかにだが理解できた。そして、各国の危機からの回復の度合いに差が生じていることも理解できた。
そこで、これからは何故アジア通貨危機において諸国の回復度合いに差が生じたか。これを重点的に調べていきたい。
2. マレーシアとインドネシアの経済比較
タイ |
インドネシア |
マレーシア |
フィリピン |
韓国 |
シンガポール |
台湾 |
香港 |
中国 |
|
短期債務(1996年、100万ドル) |
37613 |
32230 |
11068 |
7969 |
54292 |
2001 |
18759 |
14262 |
25427 |
GDP比 |
20.8 |
14.9 |
11.7 |
9.1 |
11.2 |
2.2 |
6.9 |
10 |
3.1 |
短期債務/外貨準備高(1996年、%) |
97.4 |
165.7 |
39.7 |
68 |
159.5 |
2.6 |
21.3 |
22.4 |
22.3 |
通貨価値の下落率(対ドル、%)1997年6月末〜1998年6月末 |
-41.4 |
-83.7 |
-38.9 |
-37.2 |
-35.6 |
-15.6 |
-19.1 |
0 |
0.1 |
上は以前の研究で取り上げたものだが、見ての通り通貨危機発生前のインドネシアは多額の短期債務を抱えていた。それに引き換え、マレーシアは短期債務事態が少なかったことが後の通貨下落率を抑えるのに役立ったと言える。
参考文献
黒岩郁雄(2002)『アジア通貨危機と援助政策 インドネシアの課題と展望』 アジア経済研究所