アジア通貨危機におけるインドネシア 2010/5/21
108-085 大野 瑛介
短期債務と外貨準備高比率
以下の図は、アジア9ヵ国の通貨価値の下落をあらわしたものである。
タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、韓国の危機五か国と、その他の国を比べてみると、短期債務/外貨準備高(1996年、%)の項目で大きな差を見つけることができる。
また、IMFの融資を受けたタイ、インドネシア、韓国は90%以上と、危機に陥った国の中でも特筆して高い。
つまり、短期の不安定な資金の流入が、自国の外貨準備高と比べて高い国程、より深刻な危機に瀕している。
タイ |
インドネシア |
マレーシア |
フィリピン |
韓国 |
シンガポール |
台湾 |
香港 |
中国 |
|
短期債務(1996年、100万ドル) |
37613 |
32230 |
11068 |
7969 |
54292 |
2001 |
18759 |
14262 |
25427 |
GDP比 |
20.8 |
14.9 |
11.7 |
9.1 |
11.2 |
2.2 |
6.9 |
10 |
3.1 |
短期債務/外貨準備高(1996年、%) |
97.4 |
165.7 |
39.7 |
68 |
159.5 |
2.6 |
21.3 |
22.4 |
22.3 |
通貨価値の下落率(対ドル、%)1997年6月末〜1998年6月末 |
-41.4 |
-83.7 |
-38.9 |
-37.2 |
-35.6 |
-15.6 |
-19.1 |
0 |
0.1 |
参考文献
黒岩郁雄(2002)『アジア通貨危機と援助政策 インドネシアの課題と展望』 アジア経済研究所