H23.1.27
107-455 村山 欣央
卒業論文の補論
『地域資源の有効利用と茨城県』という題で卒業論文を書くに至ったが、内容ではその問題点を多く取り上げるものになった。問題点が多くなる原因として考えられることは、現在の地域ブランド戦略そのものが「新しい文化」として、旧来の地域ブランドとは異なることがある。あえて悪い表現をすれば「カネになる地域資源」作りであり、中には手段を選ばなかったり、同じ条件であっても利益を得にくい状況になっていたりする。
この補論では、本論で触れなかった負の部分について結論を出すものではなく、地域ブランドに興味をもった読者に対して考えてもらいたい問題として挙げる。
松阪牛問題
高級な牛肉として有名な松阪牛だが、現在は等級の低いものまで松阪牛を名乗ることができるようになっている。そもそも高級な牛肉を安価で提供できる訳がないので、消費者は名前に騙されないようにしなくてはならない。
多くのブランド牛が努力をしても、知名度を上げることは難しい。高い知名度を持っていればこそ、他の手本であるように努めるべきだろう。
松阪牛は他にも、産地偽装や中国での商標問題など、多くの問題を抱えている。市場原理や民主主義、国際問題から社会問題まで幅広く関係している松阪牛は、ブランドを考える上で多くの事を気づかせてくれるものである。
水揚げ場所による価格の違い
同じ海域で獲れた鮮魚であっても、その水揚げ先によって価格が変動する。その主たる例が豊後海道で獲れる、関あじ・関さば(大分県)と岬あじ・岬さば(はな―、愛媛県)である。出荷過程や漁法による違いを挙げる場合もあるが、それが同一であれば正真正銘「まったく同じ」ものになる。価格の差はブランド信用力によるもので、モノそのものではなく、外部評価によって価値が変わってしまうのである。
直近では最高値がついていた大間産マグロの記録を、津軽海峡をはさんだ戸井産マグロが塗り替えたというニュースがあったが、これも基本的には同質のものである。ちなみにこの高価格がついた理由は、資源減少や高付加価値によるものではなく、落札者が話題性を求めたものである。
参考文献・URL
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E9%98%AA%E7%89%9B 松阪牛 – Wikipedia
http://www.maff.go.jp/tokai/seisan/chikusan/c_matusaka.html 東海農政局/松阪牛
http://www.misaki.or.jp/gyokyo/aji_saba.html 三崎漁業協同組合|岬あじ・岬さば|岬あじ・岬さばとは
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201101/2011010500078
時事ドットコム:マグロ1匹、3249万円=築地初競りで史上最高値−天然ブリは潤沢で安値