H22.12.17
107-455 村山 欣央
中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律と茨城県(3)
茨城県では、17件が地域産業資源活用事業計画に認定されている。
同法は事業促進、地域経済活性化が目的としているが、それらを達成するための手段は事業により異なる。商品の地域ブランド化を目指す以外の地域産業資源の利用法が多くあるため、中小企業は原材料の生産者に負担をかけずに事業を展開できる。
地域産業資源活用事業計画認定商品の事業展開
(1)「ほしいも」を活用した脳の活性・アンチエイジング新商品開発(認定日:2007年10月12日)
株式会社ひたちなかテクノセンターが申請した事業。使用する地域資源は干しいも。ほかに共同申請者が3社ある。
共同申請者の株式会社幸田商店は、2010年2月に「いばらき産業大賞」の大賞を受賞した。「ほしいも学校プロジェクト」で地域活性化に貢献している。
(2)「低カロリー芋甘納糖」開発プロジェクト(認定日:2007年10月12日)
株式会社つかもとが申請した事業。使用する地域資源はかんしょ(サツマイモ)。かんしょを使用した甘納豆に、糖アルコール「マルチトール」を用いることで従来品に比べカロリーを30%カットした。
この商品には規格外とされたかんしょを用いることができる。
(3)猿島茶の茶葉と種子を利用した機能性食品等の原材料の開発(認定日:2007年10月12日)
有限会社野口徳太郎商店(現在は株式会社)が申請した事業。使用する地域資源は猿島茶。従来捨てられていた茶の種子を茶葉とともに粉末化し、有効成分をまるごと摂取できる。新商品としての価値のほかに、放置茶園の復帰の一助としても期待される。
(4)二千年の歴史を有する結城紬の特性と技術を生かした、高級ホームウェア・インテリア用品等の新商品開発と販売(認定日:2009年6月29日)
奥順株式会社が申請した事業。使用する地域資源は本場結城紬、いしげ結城紬。幅広の生地を生産できる技術と設備を持ち、真綿からつむぎだされる紬の広幅商品開発は、全国初の取り組みである。現在はショールを販売している。結城紬の生産工程上、関連事業者が多く、それらと一体になり事業を進めることで地域活性化を目指す。
参考文献・URL
http://j-net21.smrj.go.jp/expand/shigen/MTArea/ibaraki/index.html J-Net21
http://www.k-sho.co.jp/blog/info/2010/0213/279.html 幸田商店ブログ
http://www.greentea.co.jp/ 野口徳太郎商店
http://www.yuinomise.com/ 結の見世どっとこむ