H22.11.5
107-455 村山 欣央
産地と農産物
今回は、農産物の産地とブランド力の関係を坂東市の調査をもとに見ていく。
主にネギについて触れていく。調査前の認識については以下。
・坂東市の生産者及び市民は、市内で生産されたネギについて「まるいわネギ」もしくは「岩井ネギ」としてブランドとしての付加価値があると考えている。
・坂東市産ネギの東京都中央卸売市場における年間平均単価は、相場より僅かに高いものの、出荷時期後半には大きく値を下げる。
・坂東市は、「鍋ネギ」の新たなブランド展開を狙っている。
調査として、1「鍋ネギ」の実態調査を消費者に行う。2坂東市産ネギおよび「鍋ネギ」の取り扱い状況を小売店バイヤーへの聞き取り調査を行う。そこで得た主な結果は以下。
消費者
・食味テストでは調理法もあり評価が高くない。
・太さが売りである「鍋ネギ」の見た目の評価は好評。
小売店バイヤー
・坂東市自体は知名度が低いものの、旧岩井市は非常に名前が知れている。
・茨城県産農産物は品質が安定していないため、ブランド力が弱い。
・「まるいわネギ」および坂東市産ネギとして販売することはない。
・一方で下仁田、深谷はブランドとして販売している。
・鍋ネギに関しては指名買いがあるものの、リスクを避けるため取り扱わないものもある。
・出荷時期後半の値崩れは出荷数が多いためたたき売りされることが原因。
実体として坂東市産ネギはブランド力を持っていないことが小売店バイヤーを通してわかる。
「鍋ネギ」の消費者からの反応はおおむね好評だが、知名度は依然低い。
坂東市産トマトで見る市場価格
トマトは年間を通じてほぼ相場を下回っており、産地がブランド力を持っていないことが分かる。また、品質そのものが劣っているという意見もあり、ある程度の品質を維持しなければ、市場価格に明確にあらわれる。
参考文献・URL
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/kikaku/chikei/sougosupport/bandou.pdf
地域ブランド力を生かしたまちづくり方策調査 報告書