H22.4.30
107-455 村山 欣央
地域ブランドと「おみやげ」
地域ブランドの販売、経営戦略を立てる上で、地域ブランド商品と一般的なおみやげとの定義づけをしたい。
地域ブランド商品
以前に確認したブランド総合研究所の地方ブランド定義におおよそ沿って考えたい。確認した定義には、「地域に対する消費者からの評価」が地域ブランドである、という部分がある。特定の地域で生産された物が、形で評価されれば、その商品は地域ブランドを持っている。一方で、その地域で生産された物全てに地域ブランドとしての付加価値がつくとは限らない。いくら特定の地域で生産されたとしても、その地域としての特異性がない場合、地域ブランドの付加価値があるとは言いにくい。
・地域に対する消費者からの評価を得ている商品群
おみやげ
主に観光地等で販売される菓子や雑貨といった商品群。その多くは包装等で販売されている観光地名や地域名を表示しており、どこの商品であるかが分かりやすくなっている。
一方でおみやげは販売される地域とは異なった場所で生産されている場合が多く、直接的に地域性とは関係ない商品である場合が多い。その理由として、菓子等は工場で生産されるため、工場のある地域でしか生産できないといったものが予測される。
また、一部のおみやげは地域を代表する商品として認知されているものもあるが、この定義では地域ブランド商品として扱わない。
・特定の地域で販売される商品で、その地域特有の付加価値を持たない商品群
・特定の地域の特異性を持っていても、地域ブランドとしての信用力と直接的な関係にない商品群
地域ブランドとおみやげのオーバーラップ
二つの用語を定義づけしたが、どちらも地域に関係するという性質上、どうしても分類として割り切れない部分が出てきてしまう。
地域ブランドである商品を原材料にした菓子を例に挙げる。今回の定義上、菓子であればおみやげとして扱うが、その原材料が地域ブランド商品であるため、結果的に消費者は地域ブランド商品を間接的に利用することになる。この場合、その商品の味が良くても悪くても、消費者がその地域ブランドの本質を知らない場合、地域ブランド商品が与えた結果であるととらえてもらえるとは限らない。
地域ブランド商品を確立していくためには、あくまでブランドとしての付加価値を大切にすべきであり、消費者には地域ブランド商品そのものを利用してもらえるように努めていくべきである。
しかし、この研究では販売戦略として販売者および経営者が地域ブランド商品であることを意図して売り出すものは、たとえおみやげに分類できたとしてもすべて「地域ブランド商品」として扱う。
参考文献、URL
http://www.tiiki.jp/corp_new/index.html ブランド総合研究所