H21.10.2
107-455 村山 欣央
水戸納豆2
納豆製造業界第3位で、茨城県常陸太田市にあるくめ・クオリティ・プロダクツ株式会社が今年8月25日、経営破綻した。今回は業界大手のくめが破綻した原因とブランド力について触れたい。
くめが経営破綻した主な原因
・原材料費の高騰
・PB製品の下請け
・価格競争の激化
はじめに原材料費の高騰が始まる。2007年末ごろからの大豆製品値上げの中、納豆業界では価格転嫁をしなかった。一方で2008年春ごろにはPB製品による値下げ競争が激化、自社ブランドを持ちながらPB製品を製造していたくめは、結果として自社製品の値下げ圧力を強めることになる。この循環に陥ったくめは薄利が続くが、PB製品の下請けをやめると売上高が大きく減少するので下請けをせざるを得なかった。そのため資金繰りが悪化し続け、経営破綻に至った。
納豆業界の変動 ミツカンの納豆事業参入
納豆業界はあまり大きな動きのない市場だったが、90年代にミツカンが参入したことから事情が変わった。ミツカンは参入後、においの少ない納豆やゼリー状のたれ、混ぜやすい容器の開発などを行い、順調にシェアを伸ばしていった。今回、経営破綻したくめの納豆製造の営業権を買収したのもミツカングループである。
水戸納豆で考えるマーケティング2
くめは、自社製品の名称の一部に「水戸」の文字を使っていた。これは水戸納豆というブランドイメージを利用したネーミングである。一方ミツカンは自社製品に「水戸」を一切使っていない。一般的な市場に流通する製品は、たとえブランド力をもつ名前を製品に付けても、あまり効果はない。今回のケースで言えば、「水戸」という名前よりも、においの少ない納豆等の方が魅力的だった。
PB製品とマーケット
近年、PB製品がシェアを伸ばしているが、今回のケースのように業界大手のメーカーが下請けをしている場合は多い。PB製品の価値は主に低価格であることで、各メーカーは同様の製品ならば価格競争を強いられることになる。メーカーは付加価値のある商品など新商品の開発を行い、違う土俵で戦っていく必要がある。
参考文献、URL
http://ja.wikipedia.org/ ウィキペディア
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090911/204550/ 日経ビジネスONLINE
http://www.asahi.com/business/update/0825/TKY200908250273.html asahi.com