テクニック 長期で借りて短期で返済する
107-404 堀口 拓海
住宅ローンを長期で毎月の返済額と総返済額(長期で借りる事と短期で借りる事)はトレードオフの関係にあり、両立する事は難しい。しかし、一見矛盾しているように見えるが、この両者をある程度両立する方法が存在する。
例 借入金額:1000万円 年利:3%
20年返済の場合⇒毎月の返済額:5万5460円 総返済額:約1331万円
35年返済の場合⇒毎月の返済額:3万8485円 総返済額:約1616万円
同じ条件で短期と長期を比べると、こんなにも返済条件に差が出てくる。返済期間について触れた時に、どのようなメリットとデメリットがあるか説明したが、この条件差はとても大きい。
※繰上げ返済の利用により、長期で借りて短期で返済する。
今回は35年返済を利用して、同時に繰上げ返済を利用するパターンを考える。返済期間が長くなる事で、毎月の返済額は減少するが、返済総額は300万円近くも多い。ここで繰上げ返済を利用し、毎月の返済である定期返済以外に一定期間毎に繰上げ返済を行う事とする。今回は5年に1回、各回100万円ずつ繰上げ返済を行うとする。この繰上げ返済の資金には、20年で組んだ場合の毎月の返済額の差額となる部分を充てる事になる。
・35年返済で5年ごとに約100万円ずつ繰上げ返済した場合
毎月返済額:3万8485円 定期的返済額:約974万円 繰上げ返済額:約400万円
総返済額:約1374万円 ⇒21年1カ月で完済する事が出来る。
今回の場合、毎月返済額の差額となる1万7000円を5年間うまく積み立てられれば、元金だけで100万円強になる。これを利用して、借金の残高が減るスピードを速め、返済期間も少しずつ短縮する事が出来て、最終的には21年1カ月で完済する事が出来る。前述の元金をうまく運用できれば余剰資金が生まれるため、更にこの効果を高める事が出来る可能性もある。
※このテクニックがもたらすメリット
・長期返済と短期返済のメリットを併用する事が出来る点
・短期返済に起こりがちな資金繰りのショートを防ぐ事が出来る。
・貯蓄を行う事が前提なので、短期返済に比べ、家計における安定感が格段に高まる。
上記の手段をとることで、20年返済と35年返済のメリットを上手く併用する事が出来る。20年返済よりも若干総返済額は多くなってしまうが、それでも35年返済よりも格段に少なくて済み、家計の負担率も少なく抑える事ができる。また、この貯蓄部分は万が一の時にも崩す事が出来るので、多少返済計画に影響が出る事はあっても、生活に及ぼす影響を抑えられるので精神的にも余裕を生み出す事が出来る。
参考文献
山崎隆 『住宅ローンを借りる前に読む本』 ファーストプレス 2009