12月10日
107-387 藤澤桃美
帯のいろいろ④
帯を結ぶ目的であり、最大のポイントでもあるのは、きものがはだけないようにするということである。それさえ果たすことができれば問題ないのだが、そうはいっても帯結びひとつできものの印象はがらりと変わる。それゆえ、フォーマルな場におけるきちんとした印象の帯結びであったり、振袖に合わせる華やかな印象の帯結びであったりと、様々な帯結びの種類が存在する。また、現代においては、きものを極めた師範の資格を有する人々などが、帯結びを“アート”として捉える動きもあり、新たな帯結びの創作が続いている。
そんな帯結びだが、基本的には立て矢系、文庫系、お太鼓系、そして半幅帯の帯結びに分けられる。その中でも、花を模した帯結びは「花結び」と呼ばれることもある。
*立て矢系
江戸時代、行儀見習いとしてお城に上がったお女中さんたちが、仕事の邪魔にならないように、だらりと下げていたたれを結んだことから始まったといわれる結び方。この結び方は、格調の高さと豪華さが魅力である。
立て矢 重ね立て矢 六歌仙
*文庫系
帯結びの中で最も古くから結ばれてきた歴史ある結び方。江戸時代初期には数々のバリエーションが生まれ、主に町人や若い武家の婦女子、子どもなどに好まれ、現在まで続いている。
文庫 花かご 花笛
*お太鼓系
今日では最もポピュラーな基本の結び方である。お太鼓系は、江戸時代に再建された江戸亀戸天神のお太鼓橋にちなんで考案されたといわれている。バリエーションのいずれも帯の柄の美しさを見せることができる結び方である。
お太鼓 角出し 若竹