11月19日
107-387 藤澤桃美
帯のいろいろ@
初心者のきものライフの難点は、帯である。なぜなら、初心者はまず自分で帯結びなどできないからだ。それに加えて、帯にも実は「種類」と「格」がある。きものライフを楽しむために、それらをきちんと理解しつつ、見分け方と活用法を覚えていきたい。
帯は大きく分けると、袋帯と名古屋帯、そして半幅帯に分けられる。半幅帯は一目瞭然だが、袋帯と名古屋帯はぱっと見ただけでは判断し難い。そんな2つの帯の判断方法は長さである。それぞれの詳細を以下に記述する。
l 袋帯
長さが4m以上あるもの。すべて同幅(約30cm)で、締めるときは半分の幅に折る。片側だけに柄がある。本来は袋状に織られた帯で、二重太鼓に結ぶ。近年は、「かがり袋」や「縫い袋」など袋状でないものもあり、名古屋帯と迷うこともあるが長さが4mあれば袋帯と判断して良い。
正装用の帯として知られ、格は帯の中で1番高い。金糸銀糸をたっぷり使った華やかで豪華なものが多く、留袖や訪問着と合わせて結婚式に締めるなど、フォーマルな席に欠かせない存在である。
そんな格の高い袋帯だが、軽めの付け下げや小紋と合わせて、おしゃれ着として楽しむこともできる。それが「袋状でない」袋帯の1つ、「しゃれ袋」である。金糸銀糸を使っておらず遊び心のある文様のものなので、二重太鼓に結んだとしてもしゃれ袋に限っては格があまり高く見られないためだ。大胆な配置、色使いの斬新さなど、現代性の高いモダンな柄のものが多く、紬に合わせれば格上げされた着こなしができる。
今では訪問着クラスに合わせることが一般的な袋帯だが、その昔は小紋にも合わせるなど幅広く使われていて、華やかな装いに花を添えていた。上級者的な着こなしになるが、華やかさを楽しむために、海外の旅先などであえて派手めな小紋や振袖に合わせるのもアリ。
l 半幅帯
袋帯や名古屋帯の半分の幅(約15cm)で、長さは3.5m〜4mくらいが一般的である。お太鼓には結ばない。素材が麻なら浴衣に、正絹なら小紋や紬にと幅広く締めることができる帯。適当に結んでもそれなりの形になるという、初心者の味方ともいえる帯である。